日弁連には、このような無茶なゴリ押しが他にもある。「死刑廃止は世界の潮流である」との呪縛的文言である。「死刑廃止国が140カ国ある」「日本だけが取り残され後進国になる」「世界の潮流は、今や死刑廃止にあり!日本も遅れてはならぬ」「廃止へ向けて、それ突き進め!」とけしかけ、脅迫じみたものを感じる。

 しかしながら、わが国では、国民の8割以上が死刑制度を支持している。当然だが、死刑制度は国民の総意により決めるものであり、他国から強制されるものではない。他国が日本国を安心安全な国にしてくれる訳ではない。死刑廃止国が多いといっても、世界人口の7割は死刑存置国に住んでいるのである。また死刑廃止国の殺人件数は、存置国の数倍も多いと言われている。EU諸国(死刑廃止国)を日本と比べても、日本の2~3倍も治安が悪いのである。
「死刑廃止宣言」が採択された後、記者会見する日弁連の幹部ら=10月7日、福井市
「死刑廃止宣言」が採択された後、記者会見する日弁連の幹部ら=10月7日、福井市
 EUに入るには、死刑制度を廃止しなければならない。その連合に加わっていた英国は脱退を決めている。その理由は、いろいろ有るのだろうが、移民問題、民族の融和問題、治安問題が含まれている。そうした国の駐日公使を講演者として招き、死刑廃止を説いていた。脱退までしようとしている治安の悪い国が、治安の良い国を指導するとは噴飯ものである。

 また、「死刑制度はコストがかかる、執行する薬物入手も困難だ、だから死刑を廃止しろ!」との乱暴な意見を述べる講師もいた。死刑制度はコストの問題ではあるまい。安楽に死刑執行する薬物はいくらでもある。少なくとも麻酔科医や精神科医で知らない者はいない。手に入れることも十分可能である。昔からある極めて安価な薬物でもある。しかし、そんなこととはつゆ知らず、講演される講師がいた。余りにもお粗末であった。

 日本は、他国より飛びぬけて治安の良い国であり、殺人事件は減少傾向にある。これは現行制度がうまく機能しているからに他ならない。誇りを持って現状を維持し、さらに治安の良い、安心安全で住みやすい国へと、まい進すればよいのである。お粗末な講演者や他国に惑わされて、制度変更する必要性は全くない。むしろ世界をリードし、世界に安心安全をもたらす役割を負うべきである。

 最近、中近東の戦争から欧州へ移民が多くなり、種々の問題が生じている。経済問題、異宗教間問題、民族融和問題、テロ問題など、EU諸国に変化が見られ治安問題に繋がってきている。いわゆる潮目が変わっているのである。日弁連は世界の潮流と言いつつ、潮目を見逃している。それを見抜けぬ日弁連に日本を託すのは将来に禍根を残すだけである。