というのも、下院では共和党が多数派を維持されると予想されていたためだ。下院で共和党が多数派を奪還した2010年秋の中間選挙以降、オバマ政権が望んだ政策はことごとく議会・共和党側の反対に遭い、息が詰まるような膠着状態が続いてきた。
クリントン候補の集会で演説するオバマ大統領
クリントン候補の集会で演説するオバマ大統領
 かつてとは異なり、現在の議会では、政治的分極化の中で、民主党と共和党が協力・妥協することは非常に難しくなっている。「クリントン新政権の発足時の議会との関係は、オバマ政権の3年目以降と同じ」と考えただけでも、クリントン政権の誕生はとんでもない停滞が続くことが予想されていた。この閉塞感に耐えられなかったアメリカ国民も多かっただろう。

 さらに、トランプが斬新すぎる「変化」を打ち出したのに対し、クリントンの場合はどうみてもオバマ政権からの「継続」がポイントだった。そもそも同じ政党の大統領が3期続くのは、極めてまれである。近年では1988年の選挙で勝利し、3期連続の共和党政権となったジョージ・H・W・ブッシュぐらいである。

 いずれにしろ、25年近く民主党の政治の中枢にいたヒラリー・クリントン、さらには夫のビル・クリントン元大統領もこれで退場を迫られることとなった。一つの時代が確実に終わる。ただ、トランプ新政権が生み出す次の時代がどのようになるのかは、全く不透明だ。閉塞状況の先に何があるのだろうか。さらなる不透明感を生んでしまった責任の一端は、ヒラリー・クリントンにもある、といったら、厳しすぎるだろうか。