年代論的根拠

  和辻哲郎の「邪馬台国東遷説」にはその後、年代的根拠がさらに詳しく与えられるようになってきている。
  図1は各時代別に天皇の平均在位年数を調べたものである。
 図1を見れば分かるように、時代を大きく区切った場合、天皇平均在位年数は、時代をさかのぼるにつれて短くなる傾向が認められる。奈良時代以前の、在位が歴史的に確実な諸天皇について調べると、300年以上の期間、天皇一代の平均在位年数は、11年足らずで安定している。

 天皇の一代平均在位年数が、11年足らずという数字をもとに、『古事記』『日本書紀』の伝えるすべての天皇が実在していると仮定し、神武天皇の5代前と伝えられる天照大御神の活躍年代を統計的に推定すれば、天照大御神の活躍年代と卑弥呼の活躍年代とがほぼ重なるのである。
 
 図2の横軸には、天皇の代をとる。縦軸には天皇の没年または退位年をとる。実線で書かれているのは、確実な歴史的事実である。
 歴史的な事実である実線部は、やや下に凸(下に向けて曲がる)的傾向を示している。これは、天皇の在位年数が、後代になるにつれ次第に長くなる傾向があるためである。
 いま仮に「卑弥呼=天照大御神」とすると、横軸については天照大御神は第1代神武天皇の5代前、縦軸については西暦247~248年に没した人物(卑弥呼)ということで、図中のポイントが定まる。
 このポイントが、実線の延長線上に極めて自然に乗っていることが読み取れる。ほとんど一目瞭然といってよいであろう。