また、共和党側からはリベラルに偏重する米国の大学への信頼も地に落ちているため、その代替機関として政府から独立した民間シンクタンクが発達しています。これらの組織は自由主義の立場(米国のリベラル=大きな政府の反対)から独自の提言・レポートを生産しており、共和党支持者はシンクタンクからの情報を信頼しています。

 上記の通り、米国内ではメディア・大学・政府を牛耳るエスタブリッシュメントに対抗するソフトパワーが準備されており、 米国民はそれらの情報を摂取しているため、多少メディアが煽ったところで簡単に騙されにくい構造ができあがっています。

メディア報道に振り回されないリテラシーを


 日本は独自のメディア情報網が非常に脆弱であり、米国における情報収集能力でも上記の有り様という状況になっています。そのため、一朝一夕で日本独自の情報発信組織を作ることは困難です。

 そこで、一般的なメディアなどに対する免疫をつけることから始めるべきでしょう。

 筆者は特に今回のヒラリー勝利の誤情報を国会議員ですら信じ込んでいた人も多かったことを懸念しています。このような貧弱なソフトパワー・脆弱な国家のままでは簡単に外国にひっくり返されるのが関の山だからです。今回、ヒラリーが必ず勝つと思っていた国会議員の人たちはリテラシーが低すぎて外交に携わって頂くのが心配で仕方がありません。

 そのため、初歩としては、日本国内のメディア・大学などのリベラル偏向に対する米国流のグラスルーツの対抗措置を参考にして、日本版のリテラシーを高める試みを実践していくことが望まれます。そうすることで、外国メディアに対するリテラシーを高めることは自然とできるようになってくるでしょう。

 米国エスタブリッシュメントが有する圧倒的なソフトパワーを見せつけられたこと、それが今回の大統領選挙における日本人としての最大の収穫だったと感じています。