通常、新聞の政治報道というのは政治家の言動を取材してそれを正確に報道するものだ。しかし、沖縄の2紙はそうではない。まず、新聞が(彼らなりの)沖縄の政治のあるべき姿を報道する。

 例えば、「世界一危険な航空機オスプレイの配備撤回の声をオール沖縄であげるべきだ」と報道すれば、自民党から共産党まで一体となってオスプレイ配備阻止の運動が湧き起こり、「翁長雄志知事待望論」を唱えれば、不思議なことに自民党の政治家だった翁長氏が革新統一候補として担がれ、県知事選に出馬してくるのである。

 その後はシナリオに一致した政治家、県民の声を報道し、そうでない声は報道しない自由を最大限に行使する。これが、沖縄の政治とマスコミの関係だ。マスコミが主で政治が従なのである。よって、今後の翁長氏が辺野古移設阻止に向けてどのようなトランプ対応に動くかは、沖縄2紙の関連記事をチェックすれば概ね把握できるはずである。

 沖縄タイムスは、11日「[トランプ氏と日米安保]今こそ辺野古見直しを」というタイトルをつけた社説で、「翁長雄志知事は、トランプ氏との面会を求め来年2月にも訪米する考えを示した。辺野古の新基地建設に反対する沖縄の民意を伝え、米側に計画断念を要請する意向だ。敵意に囲まれた基地は機能しない。日本政府はトランプ氏に対し『辺野古が唯一』との考え方を懸命に吹き込むはずだが、辺野古埋め立て工事を強行すれば激しい反対行動に遭い、沖縄基地全体が不安定化するのは確実である。県はそのような厳しい現実を、あらゆるチャンネルを使って新政権に伝えるべきだ」と訪米してトランプ氏を脅す必要性を説いた。

 10日の琉球新報の社説は更に踏み込んでいる。「米大統領にトランプ氏 辺野古新基地断念せよ 知事は直ちに訪米すべきだ」というタイトルで「トランプ氏の辺野古新基地建設への対応は未知数だ。米有力シンクタンクのアジア専門家は「辺野古移設について、トランプは全くの『白紙』状態だ。今後、判断していくことになるだろう」と指摘している。それならば、翁長雄志知事は早期に米国を訪れ、政権交代前、新政権の対沖縄政策が固まる前に、辺野古新基地建設の断念を求めるべきだ」と2月の訪米では遅いと早期訪米の注文を付けた。