政治家から情報が筒抜けに


 民進党代表選に絡み、蓮舫候補(当時)に二重国籍問題が巻き起こったことは記憶に新しいが、連合の神津里季生会長が「二重国籍の国会議員はほかにもいる」「あまり目くじらを立ててどうこうということではない」と述べたように、国籍法が明確に二重国籍を違法としているのに、マスメディアをはじめこれを擁護する動きが盛んであることに留意したい。

 二重国籍の国会議員については、日本維新の会が日本以外の国籍をもつ人が国会議員や国家公務員になることを禁止するための法案を提出したが、当然ともいえるこの動きに対し、各政党に温度差があるのは不可解である。

 そもそも多重国籍者に被選挙権を与えることは、国と国の利害が衝突する安全保障に携わる場合、“忠誠の衝突”が起こる可能性が高く、外国政府の影響を受けやすくなる危険をはらむ。早期に対応して然るべき問題ではないか。

 民進党の馬淵澄夫選対委員長は、二重国籍状態にある国会議員が「十数人いるようだ」と発言しているが、蓮舫代表の1件は氷山の一角にすぎない。膿はすべて出しきったほうがよい。

 そして二重国籍問題に加え、深刻なのは在日1世議員や外国人秘書の問題である。

 たとえば民進党の某議員は、帰化する前は在日中国人であった。帰化しても日本のためになる政策を推し進めるならばよいが、彼は外国人参政権、ヘイトスピーチ規制法の推進のほか、特定秘密保護法案、安全保障関連法案等には反対するなど、日本の国益を守る政策には断固反対する動きを示している。

 ほかにも落選した民進党の櫛渕万里前議員の夫は李松という中国人であるが、元刑事である坂東忠信氏によると、「日本人配偶者後援会」という中国人女性の日本での不法滞在を指南する団体を運営していたという。

 さらに坂東氏は、李松氏が中国の民主化運動家であるのに、妻の櫛渕議員が2009年の小沢一郎議員による中国への訪問団に参加できたことを疑問視し、李松氏が中国の反政府活動家の仮面をかぶった中国のスパイである可能性を指摘している。

 また第18回統一地方選挙では、選挙が始まるわずか2カ月前に帰化した李小牧氏が新宿区議選に立候補(その後、落選)するなどの動きもあり、地方分権や外国人参政権が叫ばれる昨今の情勢を考えれば、国政同様に地方の動向についても目を配る必要がある。

 国会議員や地方議員は国政調査権・行政調査権があり、国や地方の機密資料を閲覧できる立場にある。日本の安全と平和を守るためには、二重国籍議員の禁止だけでなく、帰化1世、またはその配偶者が外国人である場合には立候補を禁止するとともに、外国人秘書の登用についても、中国や北朝鮮・韓国のようにわが国と価値観を共有しない国については同様に制限すべきだと考える。

 アメリカでは帰化すれば1世でも選挙権、被選挙権を得ることができるが、大統領選に出馬することはできない。日本のように有権者数が多くはなく、内閣総理大臣の選出がアメリカの大統領選のような直接選挙で行なわれているわけではないことを考慮すれば、これらに制限を掛けるのは当然だといえるのではないか。

 むろん、これは二重国籍、帰化1世等だけに限定される話ではない。

 かつて橋本龍太郎元首相が中国人女性工作員のハニートラップに引っかかったことは有名だ。この2人の出会いは、1970年代に在日中国大使館に勤務していた女性工作員がホテルニューオータニのロビーにいた橋本の前で白いハンドバッグを落とし、それを拾ってもらったことから始まった。

 以後、逢瀬を重ね、政府の実権を握った橋本氏を使って北京市の病院への資金援助と天安門事件で凍結されていたODA(政府開発援助)26億円の支援に成功している。「1人の優秀なスパイは一個師団に匹敵する」との言葉を彷彿とさせる出来事だといえるだろう。

 官公庁の防諜(カウンターインテリジェンス)を高めても、政治家から情報が筒抜けになるのであれば何の意味もない。スパイ防止法の早期制定と国会議員、有権者の良識が求められることはいうまでもない。