Q17 党内に派閥はありますか 

 A17 「民主集中制の規約で共産党には分派や派閥はない」と、党幹部たちはしばしば胸を張って言います。でも、派閥やグループって、政党に限らず会社にも地域社会にもありますよね?特に「同窓生」なんてのは、絆が強く仕事や社会生活で相互に融通を利かすなんてよく聞きます。タテマエは別にして最近の党中央委員会には、立命館大学出身者による「派閥」があります。頂点はかつて書記局長もやった市田忠義副委員長・参議院議員です。その下に穀田恵二常任幹部会委員・衆議院議員などが続き、書記局機構やこれらの議員の下につく秘書には立命館大学出身者が驚くほど大勢います。

 穀田議員は、かつて「ラブラブメール事件」と呼ばれる不倫疑惑が週刊誌で騒がれましたね。大学後輩の党員を秘書に据えて個人的な上下関係をつくり、相手女性との密会場所の手配や送迎までさせていた話です。当該秘書だった方がこれを嫌がってクビになり、週刊誌で暴露されたのですが、穀田議員はなんら党内で咎められませんでした。立命館大学出身者の誰かが庇ったおかげかどうかは分かりませんが(笑)。

 Q18 では東大閥は… 

 A18 歴代の党トップが東大卒だったため「東大閥がある」なんて言われたりしますが、中央委員会は立命館大学出身者に比べると東大卒は少ない上、だいたい、お互い同士が仲良くありません。ここ三代の東大出身のトップたちでは、宮本顕治氏と不破哲三氏の関係も、不破氏と志位和夫氏の関係にしても、私が見聞した限りではとうてい円満といえるものではなかったですね。東大卒だからといって互いに助け合うわけでもないし、何か得をしているようにも見えませんでした。とてもじゃないけど、「東大閥」なんてあるといえませんねえ(笑)。

 Q19 査問って今もありますか 

 A19 査問はもともと軍法会議の用語で、事実調査のために被疑者に行う尋問のことですが、共産党では党規律を破った疑いのある者に行います。「共産党に査問はない」なんて言っていますが、私がこの用語を知ったのは共産党でです(笑)。査問は、突然呼び出されて虚をついたように始まります。自分自身がそうでしたし他の人の「査問」も見聞しましたが、他からの密告を根拠にして行われるのが常で、金銭問題、男女間の問題などが嫌疑のほとんどです。

 規律違反(配偶者以外との浮気も入る)に対する調査は「事実に基づき慎重に」なんて規約にありますが、査問では「最初から結論ありき」。除籍とか、除名で党から放逐するための理由をこじつけることだけが目的なんですね。

 数十年前は密室に長期間、閉じ込められたなんて話があります。戦前は「スパイ」嫌疑の査問で殺人まで起きました。今はそれほどでなくて、幸いですが。

 Q20 共産党お抱えの興信所もあるそうですが…

 A20 査問の根拠を調べるため、党中央委員会は外部法人として作った興信所も使って身元調査をします。筆者の査問の時、査問を担当した幹部が誤ってこちらに興信所が作った資料を「突きつけて」くれてわかりました(笑)。後で自分に関する調査報告書に記された興信所名と住所を基に登記簿謄本でそこが党員経営の法人と確認し、査問する側を「党内問題(筆者の査問)を党外(外部法人)に持ち出したあんたたちは規約違反だ!」ととっちめました。結果、除籍されましたが、その後も何年かは、しばしば尾行されましたね。尾行する者にかつての同僚の姿もチラホラ見かけましたが(笑)。身内の党員の素行調査のために興信所を作り、尾行や調査を行うという共産国家の秘密警察ごっこをやる体質がなくならない限り、日本共産党が民主主義社会でのまともな政党とはいえないと思います。

■篠原常一郎 昭和35年生まれ。立教大文学部卒。日本共産党で筆坂秀世氏の公設秘書などを務めるが、平成16年に党を除籍される。著書に『いますぐ読みたい日本共産党の謎』。