今回、DeNA社が運営する10のキュレーションメディア全てが非公開化されたことに、驚いた人は少なくないはずだ。なぜなら、今回の騒動の発端は、医療情報を標榜するサイト上で十分な検証や確認がされることなく、誤解や間違いを流布するような記事を配信してしまったという、薬機法(旧薬事法)に抵触する恐れのある問題だった。しかし、騒動が進行して行く中で、若い女性をターゲットにした流行情報を配信する「MERY(メリー)」のような主力サイトまでもが非公開になった。

 「薬機法に抵触するような不確かな医療情報の流布」もさることながら、その記事やコンテンツの作成過程で無許可引用や「ほぼ盗作」「実質、切り貼り」が公然と横行し、それらが大量に存在しているという事実。そして、それによりメディアの維持(=収益化)がされていた、という組織的な「情報万引きとその転売」のような、もうひとつの大きな構造的問題が明らかになったのである。

 「信頼性の薄い情報を流布した」ということも、情報メディアとして大きな問題であるが、それ以上に、「無駄引用」「ほぼ盗作」「パクリ」「著作権侵害」は、メディアの存在自体を揺がす取り返しのつかない致命的な問題である。

 「信頼性の薄い情報」への批判だけであれば、100歩譲って、スポーツ新聞や超常現象雑誌、UFO番組のように、「信頼性は薄いけど、面白い」というエンターテインメントとしての逃げ切りも可能かもしれない。しかし、無断引用や「ほぼ盗作」「実質、切り貼り」にそういった逃げ道はない。

キュレーションメディアのCPの高さ


 現在、指摘されているキュレーションサイトは、いわば「他人のふんどしでとる相撲」である。運営会社はもとより、記者やライターが独自の取材をしたり、一次情報源や責任著者になることはほぼない(少なくとも筆者はそう感じている)。

 しかしながら、他メディアからの「まんまパクリ」まではしていないが、バレないだろう発想で、切り貼りを常態化させ、十分な原稿料を支払ってコンテンツを制作することもない。こういう「ギリギリアウト」で、しかも極めて中途半端な立ち位置から、独自取材やオリジナル記事、一次情報を配信しているような情報サイト、ポータルサイト以上のPV(アクセス数)を稼ぎ出す。この極めてコストパフォーマンス(CP)の高い商材がキュレーションメディアだったわけだ。