不透明な香取慎吾と中居正広の兄貴路線


 そして香取慎吾だが、実は5人の中で、今後が一番見えにくい。NHK大河ドラマ『新選組!』(2004年)や、『薔薇のない花屋』(2008年、フジテレビ系)での好演は記憶にあるが、2016年夏のTBS日曜劇場『家族ノカタチ』は、あまり感心できなかった。

 繰り返される「結婚できないんじゃなくてしないんだ」という台詞が象徴するように、こだわりが強くて独身ライフを謳歌(おうか)しているという設定が、阿部寛主演の『結婚できない男』(フジテレビ系)とイメージがダブったのは仕方ないにしても、香取演じる独身男は、他人を拒否し、いつもイライラしていて不機嫌な人にしか見えなかった。

 もちろん脚本や演出に従っただけかもしれないが、香取が俳優としてどのように進んでいきたいのかが、見る側に伝わってこなかったのだ。

 あとは、テレビ朝日系『SmaSTATION!!』(スマステーション!!)のようなバラエティーということになるが、今回のSMAP解散への過程を経て、どこか香取自身が以前と比べて楽しんでいるように見えない。むしろ痛々しささえ感じてしまい、視聴者側も手放しで楽しめなくなっている。年が明けたら気分を一新し、今後の方向性を打ち出していって欲しい。

 最後は中居正広だ。ドラマ『ATARU』(2012年、TBS系)は、主人公の特異なキャラクターが功を奏して適役だった。しかし、その後の『新ナニワ金融道』(2015年、フジテレビ系)などでの演技は、あまり進化しているように見えず、困った。

SMAPのメンバーがNHK紅白歌合戦の番組担当者に宛てた文書
 恐らく今後も、俳優としてより、『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)など自身の冠バラエティーで活躍していくのではないか。今年、「ベッキー復帰問題」で見せた、芸能界の“ちょっとヤンチャな愛すべき兄貴”といったポジションも悪くないだろう。ただし、キャリアとしては実質的な大物になっているだけに、逆に大物風の言動にならないよう、気をつけたい。

SMAPノムコウ


 2016年1月、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で行われた異様な“生謝罪”に象徴される、後味の悪い独立騒動。そして、どこかスッキリしないまま、終幕を迎えた解散劇。

 この1年で、5人のイメージは明らかにダメージを受けた。かつてのように、素直に彼らを見て楽しめない“しこり”が残ってしまった。どんなに取り繕っても、それは事実だ。

 今後、5人はそれぞれに、この現実を踏まえて芸能活動を行っていくことになる。いや、実際の活動を通じて、イメージを回復し、しこりを解消していこうと努力するだろう。

 “夜空ノムコウ”には明日が待っていたが、“SMAPノムコウ”にも、きっと何かが待っているはずだ。たとえそれが、「あのころの未来」とは違っていたとしても。