ただ、SMAPが解散することは今後の芸能界にとってデメリットばかりではないと思います。タレントの人間性についてマネジメント側が真剣に向き合う大きな契機になったはずです。

 SMAPのようなスーパースターレベルのグループはしばらくは登場しないでしょうし、社会全体を揺るがすような問題はなかなか起こるものではありません。ですから日本の芸能界のあり方を見つめ直して欲しいと願うと同時に、旧態依然のタレントとプロダクションの関係がずるずる続いてしまう危惧も持っています。だからこそ、私は以前から言っていますが、SMAPはこんな形で終わらせてはいけません。たとえ時間がかかっても、メンバー全員で人々の前に戻ってきてほしいと願っています。

 5人の今後について、私の理想を申し上げますと、解散発表の後で木村拓哉以外の4人も契約更新したと言われていますが、このまま事務所にいるのは非現実的だと思います。でもケンカ別れをするのではなく、ジャニーズ事務所と提携する形で別のマネジメントを受けるのではないでしょうか。これなら事務所同士が提携していますから、5人で舞台に立つことも可能になることでしょう。

 つい先日も、SMAP存続を求める国内外のファンによる嘆願書がジャニーズ事務所に提出されましたが、37万人の嘆願書を受け取ったときの事務所のリアクションが上半期とは変わっていたように感じます。ジャニーズ事務所は今まで素晴らしい実績を積み上げてきた、当然ビジネスにもシビアな集団です。今回の騒動で大きな危機感を抱いていれば、来年以降落としどころを考えようと裏で動いているのではないでしょうか。

 2016年は5人が最も苦しんだ1年でしたから、大晦日を区切りに気持ちを入れ替えてスッキリするでしょうね。まるで憑き物が落ちたように。そして肩の荷が下りてから空虚感が襲う。才能ある5人ですから、間違いなく今後も活躍します。でも、5人がソロ活動に勤しんでいるうちに、いつか清々した気持ちになるときが来るかもしれませんが、同時にSMAPの日々を懐かしむ感情が湧くこともあると思います。

 仮に芸能界に未練がないと思っているメンバーがいたとしても、人の気持ちは時の流れと環境によって変わりますから、時間が解決してくれると思います。「普通の女の子に戻りたい」と言って解散しても、ソロになって戻ってきたキャンディーズの例を挙げるまでもなく、ほとんど芸能界に戻ってきていますから。

 人間は愚かな動物ですが、いがみ合っていても、時間とともにその感情が薄れることもありますよね。そのころに彼らの絆を結びつけるキーマンのような人物が現れて、5人とマネジメント側の関係がいい方向に進むと、私は信じたいですね。(聞き手、iRONNA編集部・松田穣)

かげやま・たかひこ 同志社女子大学情報メディア学科教授。1962年、岡山市生まれ。早大政治経済学部卒。毎日放送プロデューサーを経て現職。専門はメディアエンターテインメント論。そのほかに上方漫才大賞審査員、コンフィデンスアワード・ドラマ賞審査員、日本笑い学会理事なども務める。主な著書に「テレビのゆくえ」(世界思想社)「影山教授の教え子が泣きにくる。」(雇用開発センター)など多数。