中国側はしつこく挑発し続けるが、第一砲は撃たない。そして日本側から攻撃を受けたら、ただちに全面的に反撃に出る。もし、日本の海上自衛隊が出動したら、中国の正規軍も登場する。中国はあくまで「応戦」という形をとるから、アメリカが出にくくなる。

 戦いは一進一退すると思われるが、日本政府が尖閣諸島の領有権について双方が係争中であることを認めれば、中国は撤退していく。領有権交渉の余地が出てくれば、第1戦の目的は達成される。これで将来、島を取り戻す正当な理由ができるからである。いつかアメリカと日本の軍事同盟の関係がゆるみ、隙間ができるのを待って、この理由をもって島を奪回することができる。

 日本メディアのなかにも、中国軍事専門家たちの作戦シナリオの実効性を認める見方がいくつかある。日本のあるメディアは、次のように指摘する。

 現在、海上警備では日中間のパワーバランスが崩れはじめている。1000トン級以上の船艇の数が日本の倍にまでになるなど、中国の優位性がかなり目立つようになってきた。

 2016年1月1日現在、海上保安庁は合計454隻の船艇を保有している。2013年前後には海上保安庁が保有している1000トン級以上の船艇は中国より多かったが、中国が急速に保有数を拡大して逆転した。2014年は日本54隻に対して中国82隻、2015年は日本62隻に対して中国111隻と、驚くべき伸張ぶりを見せた。

 2016年以降は、その開きがさらに大きくなると予測される。このままでは日本に勝ち目がなくなることは明らかであろう。

訓練のため南シナ海を航行する中国初の空母「遼寧」(右中央)=1月2日
訓練のため南シナ海を航行する中国初の空母「遼寧」(右中央)=1月2日
 しかし中国の官製サイトには、海上警備では日本の実力のほうが中国をはるかに超えていると紹介する記事もある。そのきっかけは、2016年8月11日に尖閣沖で中国漁船がギリシャ船籍の貨物船と衝突し、海に転落した漁船の乗組員6人が日本の海上保安庁の巡視船によって救助されたという事件だった。

 中国公船の救助対応が遅かったため、中国のインターネットでは「肝心なときにどこへ行った」など、海警局を批判する書き込みが相次いだ。中国官製サイトはこの件についての記事を発表したが、それによると、海での上空パトロールや海難救助について中国と日本ではかなりの差がある、ということだった。

 中国では海上警備や漁業保護にあたっては、海監、漁政、海事、税関、公安、国境警備隊など複数の管理部門がそれぞれ行っているが、職権の範囲が曖昧なために、公務執行上、多くの支障が生じている。職責不明で放任のままということである。2013年にはこれらの部門を1つに統合するという中央政府の決定がなされたが、いまだにばらばらで1つになっていない。

 要するに、命令系統や設備などがまちまちで、実力は想像以上に乏しいということであった。