問題は、こうした共産党の変化は、共産党を外から見ている人たちにとっては、つまり主に「赤旗」を通じて共産党を見る人たちにとっては、ある日突然訪れるということである。そしてその人たちの目には、ある時期までは共産党は一致してこう言っていたのに、ある日を境に一致して別のことを言うようになったと映ることである。これがまた、「一枚岩だ」「共産党の見解が180度変わると、上から下まで一挙に変わる」として、ある種の不気味さを持って受けとめられることになる。
2016年4月、熊本地震の対応をめぐり行われた安倍晋三首相(右)との党首会談で握手を交わす、共産党の志位和夫委員長(斎藤良雄撮影)
2016年4月、熊本地震の対応をめぐり行われた安倍晋三首相(右)との党首会談で握手を交わす、共産党の志位和夫委員長(斎藤良雄撮影)
 モノトーンの考え方だと見られることは、政党にとっては不利なことである。今度の大会決議で、共産党は自民党を次のように批判している。

 「安倍政権のもとで自民党は、かつての自民党が持っていた保守政党としてのある種の寛容さ、多様性、自己抑制、党内外の批判を吸収・調整する力を失い、灰色のモノクロ政党=単色政党へと変質した」

 多様性がない単色政党は批判されるべき対象なのだ。だったら共産党も多様性を見せることに力を入れるべきだろう。

 私が「赤旗」に期待するのは、1ページでいいから自由投稿欄を設けることである。その他のページは共産党の公式見解を述べるものであっていいから、自由投稿欄だけは公式見解に左右されないものを掲載することである。

 そのことによって、多くの人は、共産党のなかにも多様な見解が存在していること、共産党がモノクロ政党でないことを知ることになるだろう。同時に、そういう多様性にもかかわらず、幹部がばらばらに行動するような無責任な政党ではなく、政党としてまとまった見解を持ち、一致して行動をしていることも理解するだろう。

 それは共産党への支持を広げることになると感じる。共闘相手の他の野党にとっても、「自衛隊を認める党員もいるのだ」とか、「いまだに天皇制廃止論者がいるんだ」などが伝わることは、共産党も自分と同じような多様性を持つ党だという理解につながり、日常の付き合いにもいい影響を与えるはずだ。不破氏のように個人の著作を出せない共産党員にとっても、同じ意見を持つものの派閥(分派)をつくらないで意見を表明できるようになるわけで、党の活性化につながると思う。

 志位和夫委員長は、1月の党大会における報告で、「『多様性』は『弱み』ではなく、『強み』とすることができる」と述べた。これは多様な考え方を持つ野党の共闘に関してのものだが、共産党自身も多様性を「赤旗」で見せることによって、自らを強くすることができるのではないだろうか。