憲法改正についても、世界がどんな趨勢になっても憲法改正にはあくまで反対をする「リベラル派」と、改正に現実的になっていく「現実保守主義者」とでは、今後日本人の将来に大きな「格差」が生まれてくる。

 現在の世界と日本の政治・経済情勢は、旧来型の「保守勢力」だけでなく、トランプ大統領を支持する「経済保守」、あるいは国益を守ろうとする「ナショナル・リベラリスト」と呼ばれる勢力が伸張し、従来の「平等・人権」を正義論として訴えていた「リベラル派」の勢力は、どんどん縮小しているのだ。
 今後、安倍政権をめぐる問題が起きるとすれば、この「トランプ新時代」に通用する保守主義者や現実主義者をどう生かし、思想的にトランプ大統領を受け入れられる「保守・現実主義者」と、従来の思想を変えられずついていけなくなる「リベラル主義者」の「思想格差」の問題だと思われるのである。

 つまり、国家の価値観を大事にしてきたナショナリストや「ナショナル・リベラリスト」を含めた現実保守派が、過去の「世界市民的」な価値観を大事にしてきた古いリベラル勢力を大きく塗り替えようとしているのだ。

 オセロゲームで言うと、オセロ盤がこれまで黒色で占められていた石が、どんどん白色に変わっていく姿を思い浮かべれば良い。従来は、移民や難民に対しては「寛容」、日本の歴史や伝統には常に否定的で、「人権」や「平等」を訴えるだけの「リベラル勢力」は、今後ますます影響力を失っていくはずなのだ。

 トランプ大統領の強引なやり方には、今後対立する層との批判や摩擦が生じるだろうし、国際情勢や世の中についていけないリベラル勢力とのギャップが生まれることは確実だ。しかし、その両者の勝敗が明らかになった時に日本国内で政官界や経済界、マスコミ界が「トランプ批判」だけに明け暮れていれば、自分の足下の現実に気付けないリベラル一辺倒できた者たちは、気づいた時には「思想的弱者」になっているかもしれない。

  第二次政権誕生以来、安倍総理はリベラルなオバマ大統領と合わせながら、リベラルな政策を次々に取り入れ、うまくバランスを取ってきた。安倍総理は、日本と世界の思想の潮流の見極めを大事にしてきたからこそ、これまでの地位を築いてきたのだ。

 しかし、その安倍総理自身が今後「ナショナリズムという本来の保守」に舵を切る機会があるとすれば、世界情勢が「リベラルの衰退」という状況になったと見極めた時である。その時こそ、総理は勝負をかけた解散総選挙に踏み切るに違いない。