ICTだけで解決せず


 こうした状況に対し、ICT(情報通信技術)に活路を求める意見は強い。インターネットを使った通販や金融サービスの普及は目覚ましく、医療分野などでも技術は格段に高まっている。

 だが、それだけで問題解決とはいかない。どんなに技術が発達しようとも人の手でなければできない仕事は残るだろう。少子化は患者の元に足を運ぶ医療スタッフやトラック運転手などの確保を難しくする。商品も実際に手に取らなければ、気に入ったものが買えないことが多い。
 ICT化の推進も重要だが、人口減少に対応するには人口集約を図るコンパクトな町作りが欠かせない。市街地を集約し、住民が暮らせるだけのサービスを維持する人口密度を保つのだ。行政の効率化にもつながろう。

 コンパクトな町作りといっても、駅前などの中心市街地に寄せ集めるばかりが方法ではない。一から開発計画を立てるわけではないので、地域内に多数の“拠点”をもうけ、公共交通機関で結ぶ「多極ネットワーク型」のほうが現実的であろう。

 高齢化が進むことを考えれば、コンパクトシティーは車がなくても用事が済むようにすることがポイントとなる。商業施設や公共施設、病院を計画的に再配置し、歩きたくなる町を目指すのだ。

 例えば、中心市街地は一般車の進入を禁止し、公共交通機関で移動するようにする。歩道を拡幅し、大きな広場も整備する。

 人々が自然と歩きたくなるような雰囲気の町ができれば消費が伸びるだけでなく、健康増進にもつながり医療費の削減効果も期待できよう。