転機となったのは09年。海外の放送局にコンテンツを配信すれば助成金を出すという総務省の事業を知った。これに乗ろうと、海外の放送局に打診。そのなかで一番反応が良かったのが、フランスのケーブルテレビ局「NOLIFE」だった。「『NOLIFE』の視聴者は20~30代前半。この世代は日本のアニメを見て育っていて、日本への関心が高いことが分かりました」。

 政権交代によって助成金自体が白紙になったが、手をあげてくれた「NOLIFE」のために手弁当で番組を制作した。番組の人気は予想を大きく上回った。視聴者は80万人に上り、放送を開始した年から広島を訪れるフランス人観光客が急増するという効果も出た。

 スポンサー開拓にも新たな手を打った。スポンサーとなった岡山のジーンズメーカー藍布屋の「桃太郎ジーンズ」の生産現場を「工場見学」として番組で紹介。フランスでの販路開拓を支援して、パリの有名セレクトショップへの納品に結びつけた。

 同じく「広島風お好み焼き」を番組内で紹介。パリにお好み焼き屋を出店するクリストファ・ワーグナー氏と提携し、フランスのゲームショーでお好み焼き屋を出店するなどしてブームを演出。広島のソースメーカー「オタフクソース」にも協力を呼びかけた。ソースメーカーにすれば自前で宣伝することなしに販路開拓ができ、白神プロデューサーとしては、「将来のスポンサー候補として期待している」という。

 12年からは、新たなポップカルチャーの発信者として人気が高まった、きゃりーぱみゅぱみゅさんがレギュラー出演者として加わり、地元広島、福岡では地上波での放送も決まった。
「アクオス」のプロモーション記者発表会に出席したきゃりーぱみゅぱみゅ
「アクオス」のプロモーション記者発表会に出席したきゃりーぱみゅぱみゅ
 事業は昨年度に続き、今年度も黒字達成の見通しで、「このビジネスモデルを使うことで別の国への展開も目指したい」と意欲を見せる。