「今は傍流でも、新たな収益源にしたい」


 キー局においても、海外の放送局向けに番組を制作する動きがある。TBSは昨年、シンガポール最大のメディア企業で唯一の地上波テレビ局メディアコープと共同で、東京のポップカルチャーやトレンドを紹介する『kawaii style』、ドラマ『ムーンケーキ』を相次いで制作し、現地で放送した。

 この事業を担当するTBSホールディングス次世代ビジネス企画室の白石徹太郎氏は「ある意味、我々がリスクを取るビジネスです」と話す。TBSは制作費を多く出す分、番組コマーシャルのセールス権をもらう。ただし、スポンサーを募って制作費を回収しなければならない。

 同様のビジネスモデルで、TBSは日本経済新聞と共同で昨年4月からニュース番組『Channel JAPAN』の放送を開始。アジア広域に放送されるCNBC ASIA、台湾の非凡電視台、インドのTV18からはじまり、10月からはベトナム国営放送VTV2、インドネシアのメトロTVへも拡大。アジアで事業を拡大する日本企業からのスポンサーとしての関心も高いという。

 白石氏は「テレビ局のなかで、この仕事はまだ傍流です。それでも、新たな収益源になるように、このビジネスを育てたいと思っています」。

 実は、韓国ドラマや韓流カルチャーの浸透と、サムスンのテレビ、現代自動車など韓国製品の市場での存在感の高まりはリンクしている。例えば、東南アジアではドラマの制作発表に合わせて、Kポップのコンサート、韓国メーカーの新商品発表などを同時に行うことで上手くブームを起こしている。白石氏も「メディアが旗振り役になることで、コンテンツにとどまらない日本ブームを演出することができるはずです」と話す。

値段が高くても売れる日本が誇る良質番組


 電通と民放テレビ各局がシンガポールで、テレビ事業運営会社『JFCTV』を設立し、2月25日から放送を開始した。こちらも日本企業や、現地企業からスポンサーを募って、アジア10カ国・地域に放送を広げることを計画している。

 海外への番組展開でオーソドックスなのは番組販売(番販)だ。日本の番組の販売価格は高いといわれるが、それでも良質な番組は売れている。