地球上の人びとの健康に貢献する


 日本はメード・イン・ジャパンの資源が乏しいと揶揄されますが、いわずと知れた知的財産や無形財産の宝庫です。食の世界でも醤油や味噌、最近では塩麹など日本の発酵技術は世界一です。「和食」がユネスコの無形文化遺産に認定されたことで、日本人が「食は世界ブランドなんだ」とようやく気付きました。このタイミングで「クールジャパン」を掲げ、カルチャーだけでなく食文化を海外へと積極的に発信していく国の方針は正しいと思います。自動車や家電製品で外貨を稼ぐのと同じように、世界を牽引する外食産業が生まれることで、日本の食品メーカーや調理機械メーカーが世界に認知されるチャンスにも繋がります。稲作を中心とした日本の農業にとっても、世界へアピールするチャンスと捉えるべきです。

 食に携わる日本人それぞれが「稼ぐ力」を磨き、世界に進出することで、日本食が地球上の人びとの心と体の健康に貢献するという理想は、けっして夢物語で終わることはないでしょう。

※三森久実氏は2015年7月27日に死去されました。本原稿は『Voice』2015年1月号に掲載されたものです。