10年で5倍以上に増加した自治体も


図表:生活保護費増価額(2014-2002)と生活保護費増加率(2014-2002)

 生活保護については、「急増している」、「逼迫した状況」等といった話は聞くこともあるかもしれないが、データで見ると、自治体によっては生活保護費が10年で5倍以上にまで膨らんでいる実態が分かる。

 増加額で見ると、最も増えているのは大阪市(大阪府)で、2002年から2014年までの間に1,094億4,791万円も増えている。
次いで、横浜市(神奈川県)の568億9,087万円増、3位が札幌市(北海道)の539億5,634万円増となっている。

 一方、逆に生活保護費を減らしている自治体もある。

 人口減少など外部要因の影響もあるのだろうが、最も生活保護費を減らしたのは、夕張市(北海道)で3億8,735万円の減少となっている。
次いで、歌志内市(北海道)の2億3,024万円減、3位が芦別市(北海道)の2億1,721万円減、4位が三笠市(北海道)の1億6,160万円減、5位が深川市(北海道)の1億5,953万円減、6位が赤平市(北海道)の1億3,724万円減。ここまでが全て北海道の自治体になっているのも特徴的と言えるかもしれない。

 その後は、7位が室戸市(高知県)の1億280万円減、8位が津久見市(大分県)の1億207万円減、9位が串間市(宮崎県)の6,827万円減、10位が相馬市(福島県)の6,451万円減だった。

 これを増加率で見ると、可児市(岐阜県)の533.5%を筆頭に、霧島市(鹿児島県)525.9%、久喜市(埼玉県)462.1%、笠間市(茨城県)452.6%、那須塩原市(栃木県)409.0%、村上市(新潟県)407.0%、千曲市(長野県)397.9%、大田原市(栃木県)390.2%、佐渡市(新潟県)387.1%、湖西市(静岡県)384.7%となっている。

 合併などが行われている自治体もあるので厳密ではないが、トレンドやオーダーを知るという意味で、参考までにこうした状況についても押さえておいてもらえればと思う。


年間予算の1/4を生活保護費が占める台東区




図表:自治体別予算に占める生活保護費割合ランキングBest20(2014)
 切実な財政状況をより明確にするために、各自治体における一般会計予算に占める生活保護費の割合についても調べてみた。その割合が最も多かったのは台東区(東京都)の24.5%。年間の自治体予算の約1/4もを生活保護が占めているという極端かつ悲惨な状況であることが分かった。

 次いで、門真市(大阪府)の23.4%、3位が田川市(福岡県)の20.4%、4位が板橋区(東京都)の20.2%、5位が大阪市(大阪府)の19.2%、6位が東大阪市(大阪府)の19.0%、7位が足立区(東京都)の18.7%、8位が新宿区(東京都)の18.0%、9位が尼崎市(兵庫県)の17.8%、10位が別府市(大分県)の17.6%、11位が守口市(大阪府)の17.3%、12位が江戸川区(東京都)の17.3%、13位が寝屋川市(大阪府)の17.2%、14位が北区(東京都)の17.0%、15位が嘉麻市(福岡県)の17.0%、16位が飯塚市(福岡県)の16.6%、17位が函館市(北海道)の16.6%、18位が小樽市(北海道)の16.5%、19位が墨田区(東京都)の16.4%、20位が奄美市(鹿児島県)の16.4%。

 個人的には、生活保護費の総額よりも、この指標で出てくる自治体の方が生活保護が多いイメージにつながった。これを都道府県別に見ると、東京都が7区、大阪府が5市、福岡県が3市、北海道が2市、兵庫県、大分県、鹿児島が1市と、そのほとんどが東京都と大阪府に偏っていることが分かる。