しかし、対宗教団体という芸能プロダクションの立場は想像以上にやっかいなものになる。レプロに対する同情の声も多く聞かれるが、最もトラブルを起こしたくない相手とも言え、タレントの扱いにも慎重さが増して疲弊する。今後、こういった問題も出てくるのかと思うとタレントの扱いには相当の慎重さを要することになる。
清水富美加さん
清水富美加さん
 欧米ではプロフィール欄に信仰・宗教を明記する場所があり、タレントに限らず一般企業においても重要視している。氏名や性別と合わせて宗教までを性格として認識して受け入れるのが筋であり、また同胞同盟や仲間、友人関係から婚姻に至るまでそれは強く関係してくる。

 身近なところでは世界的なSNS『Facebook』にもその欄はあり、世界の多くはこれを重要と捉えているが、日本では馴染みが薄い。性別にしても「性同一障害」というしっかりとした言葉と病名があり、日本でもようやく認識した程度でこの手の話題や活動も極端に少ない。

 つまり、日本人には信仰する宗教や性差、個性といったものを受け入れる十分な器量がなく、これらを重視しない習慣が今回のようなトラブルを引き起こす要因となっている。レプロの「清水を尊重する」といったコメントは「宗教に対する誤解」を改善したいという強い決意かとも感じた。

 思えば、SMAPの解散騒動のとき海外メディアからの取材も受けたが、その質問の多くはSMAPに関することよりも「日本の芸能界」と「芸能(タレント)プロダクション」の体質に関することだった。

 日本の芸能界は海外、特に欧米から見て特殊で「タレント<プロダクション」という構図に映るらしい。タレントから自由を奪って「奴隷」的に扱っている日本の芸能界は「オカシイ」と認識しているのである。

 昨今ではSNSの影響もあって、多くの問題が個人から直接発信されてニュースになっているが、こういった事情から芸能界やプロダクションのあり方、あるいは古い体質が否定され、改善に向けて動くことも期待されているように感じる。今回の騒動をきっかけに、職業としての「タレント」の価値が見直され、向上していくことを切に願う。