液体の水の存在は生命につながる


 では、私たちの地球のような惑星が存在すれば、そこに必ず生命が存在できるのか。そのようなことはない。

 私たちのような生命が存在するため最も重要なものは、水、それも液体の水である。ご承知の通り、液体の水は0度から100度までの間でしか存在できない。それより熱ければ水は水蒸気となる。0度より低ければ氷である。

 生命の存在には水が欠かせない。おそらくはるか昔、地球に生命が生まれていく段階では、水の中に溶け込んでいたさまざまな物質、特に有機物が大きな役割を果たしたのだろう。いろいろなものを溶かすことができ、化学反応を促進できる存在である水は、こういった重要な役割に欠かすことができない存在なのである。
太陽系のイメージ図
太陽系のイメージ図
 しかし、宇宙で水が液体で存在できる領域となると、意外に少ないのだ。例えば私たちの両隣の惑星をみてみよう。太陽に「少し」近い金星は、温度が高いため水が液体で存在できず、水に大気の二酸化炭素が溶けこむことがなく残ってしまい、強烈な温室効果によって表面が500度近い地獄と化してしまった。太陽から「少し」遠い火星は、かつては温度がある程度高く水があった可能性が高いが、今は温度が低く、水はふつう氷としてしか存在できない。

 太陽系でさえ、水の存在は貴重なのである。このように、水が存在できる、つまり生命の存在の可能性が期待できる領域のことを「ハビタブルゾーン」という。英語では「生命が居住できる(ハビタブル)領域(ゾーン)」という意味である。

 ハビタブルゾーンは、中心にある恒星からの距離と、その恒星の明るさ(エネルギーの強さ)によって決定される。これは、ストーブとその暖かさで考えれば分かりやすいだろう。

 大きなストーブを中心に据えれば、かなり離れていても暖かさを感じられる。逆に、小さなストーブで暖めれば、その熱はそう遠くへ届くことはない。ストーブを恒星と考えれば、小さな恒星ほど系外惑星の内側に、大きな恒星であれば外側にハビタブルゾーンができる。

 今回問題となっている恒星は、上で述べた通り赤色矮星というかなり小さく、放出するエネルギーが小さい恒星である。従ってハビタブルゾーンは系外惑星系の割と内側にあり、領域はあまり広くないはずである。にもかかわらず、今回のNASAの発表では発見された7つの惑星のうち、3つはこのハビタブルゾーンの圏内だという。

 注意すべき点は、ハビタブルゾーンは水の存在が可能である領域であるというだけで、「水が必ず存在する」ということを示しているわけではない。まして、生命に必要な他の要素、例えば有機物や大気といったものの存在までは規定しているわけではない。ただ、ハビタブルゾーンに惑星があることによって、生命が生まれている可能性がぐっと高まることは間違いなく、しかも3つも圏内に入っているということは、将来より詳しい探査によってこれらの天体を調べるべきであることを意味している。