だが今回のトラピスト1惑星系のように、太陽系外のひとつの惑星系に、地球サイズのハビタブルな惑星が3つも確認されたのは、これまでで初めてのことである。ただし、今回の研究成果からは、トラピスト1の惑星群に大気や水が存在するかは、まだ分からない。大気や水が存在するかどうかは、今後の観測と分析を待たなくてはならない。

 さて、これらを調べるにはどうしたらよいだろうか。トラピスト1は、太陽系からおよそ40光年離れているため、そこまで探査機を飛ばして調べることは、残念ながらできない。だが、地上および宇宙で望遠鏡を用い、はるか遠くからやってくる光を分析することにより(トランジット分光法)、これらの惑星群の「プロファイル」を調べることが可能になる。

報道公開されたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の主鏡=メリーランド州グリーンベルト、ゴダード宇宙飛行センター
報道公開されたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の主鏡=メリーランド州グリーンベルト、ゴダード宇宙飛行センター
 今後の観測の中でもとくに期待されているのが、次世代宇宙望遠鏡のジェームズウェッブ宇宙望遠鏡だ。2018年10月に打ち上げ予定のジェームズウェッブ宇宙望遠鏡は、高感度の赤外線観測ができる。簡単にいえば、これまでのどの望遠鏡でも見えなかったものを見ることのできる「目」をもった望遠鏡である。このスーパー望遠鏡により、トラピスト1の惑星群をはじめ、そのほかのハビタブルゾーンにある「第二の地球」候補である系外惑星のプロファイルを、これまでにない精度で分析することが可能になる。

 ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡による観測で、トラピスト1の惑星群からもしも水が検出されれば、生命が潜んでいる可能性が出てくる。酸素も、生命の存在を示唆する重要な指標(バイオマーカー)だ。酸素は反応性が高いため、すぐに他の物質と結合してしまう。酸素が存在するということは、植物様生命体による生命活動により絶えず酸素が待機中に供給されている可能性が高いからだ。そのほかに、オゾンやメタンなどの物質も重要なバイオマーカーとなる。

 あと2~3年後には、今回の発表とは比べものにならないほどのインパクトをもつ新発見が、次々と発表される可能性が高い。「真の第二の地球が見つかった」と喜ぶ地球の人々。そのようすを眺めながら、「今ごろになって、やっとかよ」とほくそ笑むトラピスト星人が、もしかしたらいるかもしれない。