さらに、おもしろいことは、これらの惑星の周期がきちんとした整数比になっていたことです。つまり、一番内側の惑星が8回周回する間に、2番目の惑星は5回、3番目の惑星は3回、4番目の惑星は2回周回するという関係を持っていました。こういう関係があると良いことがあります。

 つまり周期がおたがいに整数倍だと、いくつかの惑星がある時、近い距離にくることになり、その時の相互作用によって惑星の周回速度がほんの少し変化するのです。その変化の度合いを調べると、遙か彼方の惑星の質量がわかってしまいます。

 惑星が星の回りを通り過ぎる時の暗くなる程度は、惑星の大きさ(直径)によっているので、惑星の直径もわかります。こうして、惑星の質量が判明し、直径がわかると惑星の比重が確認できます。今回見つかったトラピスト1の惑星の比重がわかり、トラピスト1の惑星が地球や火星の様に、多分岩石でできているだろうということも判明したのです。
※写真はイメージ
※写真はイメージ
 トラピスト1の惑星の周期がわかるので、星からどれくらいの距離を回っているかが算出できます。星の明るさから、そのトラピスト1の表面がどれくらいの温度かもわかります。

 今回発見された、7つの惑星は星から大変近い場所を回っているのですが、トラピスト1が暗いので惑星の温度は十分低く、もし水があれば液体の状態を保っていられる程度に低い温度なのです。水が本当にあるかどうかはわかりませんが、海があるかもしれないという事を想像させます。

 この星は地球から39光年しか離れていません。39光年というと光の速度で39年かかるという距離ですから、遙かかなたには違いありません。しかし、宇宙の大きさが138億光年であることから比べると太陽系に非常に近い距離にあることになります。

 来年ジェームス・ウェッブという宇宙望遠鏡が打ち上げられる計画です。この望遠鏡は、遠くの惑星の大気を観測することができます。トラピスト1の惑星に大気があるのかどうか。観測が行われるかもしれません。

 トラピスト1は大変小さい星ですが、小さい星の温度が低いと言うことは、星の中で進行する核融合反応の速度が非常にゆっくりと進むことになります。すると、星の寿命は長くなり10兆年長生きすることになります。

 太陽は46億歳ですが、あと数十億年で寿命が尽きます。トラピスト1はその数百倍も長生きをします、生命が誕生して進化するのには十分すぎる時間だろうと、ネイチャーの解説はこう締めくくっています。