投手陣もまずまず好調な滑り出しを見せた。初戦先発の石川、2戦目の菅野とも安定した投球で試合を作った。初戦の第二先発・則本は打ち込まれたが、乱戦になった試合の雰囲気の中での失点と気持ちを切り替えているだろう。
オーストラリア戦の8回、4番手で登板した宮西=3月8日、東京ドーム
オーストラリア戦の8回、4番手で登板した宮西=3月8日、東京ドーム
 投手陣では、宮西、千賀の好投も大きい。この二人の頼もしいピッチングは、彼らが世界の舞台で活躍できることを実証したし、二次ラウンド以降も重要な戦力になることを示した。小久保監督、権藤投手コーチの継投にも幅ができるだろう。

 そして、懸案とされていたクローザーも、牧田が落ち着いた投球を見せ、信頼を築いた。同時に、松井、秋吉を別の場面で生かす余裕が生まれた。

 二次ラウンドでは、3連勝で勢いに乗る伏兵イスラエル、前回も台風の目となったオランダ、それにキューバが相手だ。

 イスラエルは、初戦で韓国を破り、「大会史上最大の番狂わせ」と形容され、世界中を驚かせた。メジャーリーグ経験者を多数揃えるイスラエルは、大会前から「韓国以上の実力を持つチーム」と関係者の間では評価されていた。その真価を発揮し、トップで一次ラウンドを突破した。日本にとって、怖い存在であるのは間違いない。

 オランダもメジャーリーガーを揃え、一発の破壊力もある。オーストラリアに先制されたように、序盤でリードを奪われる展開もありうる。焦らず粘って、最少失点にしのぎ、後半で追いついて勝つ覚悟も必要だろう。

 キューバも、以前のような迫力はないものの、初戦の終盤に見せた打力は侮れない。

 一次ラウンドは主力選手とお祭り男が調子付いて快勝した。ただそういう勢いは、相手投手の思わぬ快投や、序盤の猛攻で一気に沈黙する恐れがある。できれば序盤に相手を調子づかせずに、打線が封じられたり、リードを奪われた時にどう打開できるかの準備が二次ラウンドでは重要だろう。

 その時、一発屋以上に頼りになるのは「仕事人」たちだ。すでにいい味を出し始めている青木、菊池、山田、さらには秋山、内川らの活躍が苦境打開には欠かせない。彼らをどの場面で起用し、侍ジャパンに「化学変化」をもたらすか。小久保監督の勇気とひらめきある選手起用にも期待したい。