特に日露戦争は半島がロシアにとられたら日本は植民地になってしまうと思い、国力の差をわかったうえで戦ったんです。朝鮮戦争のときも日本を統治していたマッカーサーは、半島が全部とられたら日本を守れないと思っていた。マッカーサーは解任されたあと、米議会で、日本の大東亜戦争を侵略とは思えないと言ったのは、日本は朝鮮半島を守らなければならなかったからで、そのためには満州が必要だというのは理解できたんですね。

 日本を守るという観点では、在韓米軍がいることで、日本は安全だった。でも、米軍が撤退し、半島全体が核を持つ反日勢力の手に落ちると、日本は危機にさらされる。白村江の戦いや日露戦争の負けたときと同じような状態になるんです。

憲法裁判所近くで、朴槿恵大統領の罷免決定言い渡し後に機動隊と衝突する朴氏の支持者ら=3月10日、ソウル
憲法裁判所近くで、朴槿恵大統領の罷免決定言い渡し後に機動隊と衝突する朴氏の支持者ら=3月10日、ソウル
 韓国では今月、弾劾反対の30万人のデモがソウルで行われ、今日も判決が憲法違反だというデモが起きて死者も出ています。激しい保守派の抵抗もあって、大統領選で文在寅が勝つかどうかはまだ分からない。ただ文在寅が当選しても、保守派は体を張って阻止しようとするだろうから、流血の事態になるでしょう。そのときに国軍はどう動くかで、連邦が反対だと内戦状態になる可能性もあります。

 北朝鮮も暴走が続いています。朴槿恵政権が当初は北との対話を目指したが、昨年2回の核実験を実施しました。発射後、韓国が核開発を止めないなら体制を倒すという政策を決めて、北朝鮮との心理戦をどんどんやったら、北朝鮮幹部が相次いで亡命していった。公開されていないが、高官が次々と飛んできて、朴槿恵政権が積極的に助けてきたんです。この状況に北朝鮮は朴槿恵を倒さなければ自分たちが倒されるという危機感を募らせているはずです。結局、韓国も北朝鮮も危機に瀕しており、どっちが先に倒されるかが注目されるところでしょう。(聞き手・iRONNA編集部、本江希望)

にしおか・つとむ 東京基督教大学教授、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)会長。昭和31年、東京都生まれ。国際基督教大学卒業、筑波大学大学院地域研究研究科修了。韓国・延世大学校国際学科留学。在韓日本大使館専門調査員、「現代コリア」編集長などを歴任。産経新聞「正論」執筆メンバー。主な著作に「よくわかる慰安婦問題」「日韓『歴史問題』の真実」「韓国分裂-親北左派vs韓米日同盟派の戦い」「日韓誤解の深淵」「拉致家族との6年戦争-敵は日本にもいた!」「北朝鮮の『核』『拉致』は解決できる」「朝日新聞『日本人への大罪』」などがある。