テレビはどう報じたか


 一方、テレビはどうだったか。この問題に一番興味があるのはやはり女性だろう。パートの人も非正規の人も、専業主婦の人も、もしくは彼女たちのパートナーも、それぞれ関心を持ってニュースを見ているはずだ。彼らにとって一番身近なメディアと言ったらやはりテレビであろう。
 一方で午前中から夜7時ぐらいまで続く情報生番組や夕方のニュースを見ている人はリタイアしている高齢者か専業主婦だ。つまり、実際に働いている人はテレビからリアルタイムに情報を入手することはできない。

 出勤前の早朝からやっている情報番組はあまり難しい問題を取り上げず、むしろトレンドや事件事故モノ、後はスポーツやエンタメ、それに天気予報であろう。仮に「配偶者控除」問題を取り上げたとしてもじっくり時間をかけて解説することはやらないだろうし、なにより働いている人たちは午前7時から8時くらいに出勤する人が多いので、仮に「配偶者控除」問題を取り上げたとしてもゆっくり見ている時間はない。

 そこで地上波放送は、仕事をしている人が帰宅する夜の時間帯のニュースでこの問題を取り上げている。例えば、日本テレビの夜の『NEWS ZERO』は2016年11月14日、「桜井翔イチメン!」というコーナーで「配偶者控除」について放送した。

 その中で、Aさん、Bさんが同じ会社に務めていて給与が同じ、2人の妻はパートで収入を得ているという前提で試算を行った。Aさんの妻は年間150万円の収入があり、Bさんの妻は102万円に収入を抑えた場合、各家庭の手取りを試算して比較している。結果はAさんの世帯収入(手取り)が511万円、Bさんが510万円でほとんど変わらない。つまりAさんの妻は「働き損」ということになる、と言った具体的な解説をしていた。こういう情報は視聴者にとって有益だ。