菅野氏が籠池理事長に食い込んだルートはわからない。おそらくは『日本会議の研究』のベースとなった右派人脈から入りこんだのだろう。もともとは差別主義的主張をし復古主義を戯画的にまで行う狂信的な教育を行ってきた森友学園は、菅野氏は排撃する立場だった。それが今は籠池氏の代理人のようにふるまい、籠池氏からの情報をもとに政権や官僚、大阪府政との癒着を暴露する。この振る舞いは、例えば籠池氏と議員団の前に押し寄せた排外主義団体のような右翼からも、またこれまで籠池氏と森友学園の教育方針や疑獄を批判してきた人たちをも困惑させた。

菅野完氏からの取材を受けた森友学園の籠池泰典理事長(右) 
と妻の諄子氏(塚本幼稚園副園長)、長男の佳茂氏 =3月15日、東京都港区
菅野完氏からの取材を受けた森友学園の籠池泰典理事長(右) と妻の諄子氏、長男の佳茂氏 =3月15日、東京都港区
 しかしこれは菅野氏の目的意識からすればクレーバーな戦略だと思わざるをえない。籠池氏にはおそらくこの先に未来はない。せいぜい戸塚ヨットスクールが細々と存続しているように一部の狂信的な父母の子供たちを相手に私塾をやっていくのがせいぜいだろう。それならば、籠池氏をあたかも被害者のように擁護し、彼の尻尾切りをして生き延びようとしているものを告発するようにしたほうがいい。この絵図の見立てと段取りの手際よさは見事としかいいようがない。おそらく外国人記者クラブとの会見をセットしたのも菅野氏だ。だから、記者クラブの会見が中止になったのにも関わらず、籠池氏は菅野氏の自宅を訪問したのだろう。あの菅野氏の自宅前の演説の中の暴露はきっと外国人記者クラブで籠池氏が行うものだったのだろう。

 おそらく現在のプロパガンダのようなテレビ向けのトークとツイッターの断片的な情報は、正確にこの森友学園問題を理解しようとしている人ならば、話は半分で聞いとくほうが無難かもしれない。しかし、おそらくまだこの後に菅野完劇場は続くだろう。そして、そのたびにこの狂信者に戦慄する人はどこかにいるはずだ。