東京から帰阪した森友学園の籠池泰典理事長(左)=3月15日、大阪国際空港
東京から帰阪した森友学園の籠池泰典理事長(左)
=3月15日、大阪国際空港
 そして、実際、近畿財務局(財務省)、大阪航空局(国交省)、森友学園は、平成28年度予算が成立した平成28年3月29日の翌日に「有益費」の「返還」に関する合意書を締結し、国の会計年度が平成28年度になった直後の同年4月6日に、約1億3200万円を森友学園に「返還」と称して支払っています。もちろん、税金です。今日から見れば、国が「有益費」の名目で、税金で「工事費用の立て替え払い」をしたとも取れる内容になっているのです。実はこのことは、報道が激しくなる前に朝日新聞が2月14日の記事「学園「ごみ撤去1億円」 国は8億円見積り 国有地購入」に財務省のコメントとして掲載した「理事長は『撤去費の額は他の工事と一体になっているので分からない』と答えている」とも合致しているようにも思えます。

 この頃は、政府の情報コントロールも行き渡っていなかった可能性があり、この件に関する初期の財務省の説明と、総理夫人付職員のものとされる文章の内容が合致しているように思えるのは興味深いところです。なお、森友学園が大阪府の私学審議会に提出した資料では、平成27年度に1億3000万円の「国庫補助金」があったことになっています(3月11日しんぶん赤旗)。合意書の日付を基準とすればこうなるのでしょう。

 むしろ、このFAXは籠池氏の言う「神風」の起点となっている可能性はないでしょうか。そして、国から森友学園に対する約1億3200万円の「有益費」の「返還」は、実質的には計算根拠も法的根拠もない補助金だった可能性はないでしょうか。

まとめ


 このように、昭恵氏の釈明文は大変高度な“霞ヶ関文学”であるため、本人の肉声が聞こえてこない内容になっています。残念ながら、偽証罪の制裁の下で証言をした籠池氏の証言の信用性には到底及ばないでしょう。裁判所で証人尋問をする場合は、問題となるやり取りがあったとされる双方を証人として尋問するのが普通です。双方の証言を聞き比べて、どちらが信用できるか考えるのです。昭恵氏は、フェイスブックでここまでのことをするのであれば、国会で証人として証言すればいいのではないでしょうか。

官僚の「参考人招致」の不可思議


 また、国会では、今日、迫田英典国税庁長官と武内良樹財務省国際局長を参院予算委員会に参考人として招致することになったようですが、これについても、証人喚問ではないため、極端なことを言えば、虚偽答弁をしたり、回答拒否をしても、それ自体には何の制裁もないのです。

 実際、この間、矢面に立っている財務省の現・佐川理財局長の答弁の中には、ごみ撤去費用の見積を専門業者にさせず、大阪航空局がした理由について「撤去に時間がかかり、小学校が開校できないと損害賠償訴訟を起こされる恐れがあった」「国が費用を見積もり、学校建設を遅滞なく進ませようとした」(3月6日読売)などという、明確な嘘ではないものの、限りなく虚偽に近いものもあります。なぜ、森友学園の「強い要望」により、原則を曲げて土地を貸してあげた国の側が損害賠償請求を受けるのでしょうか。

 また、この間、佐川理財局長は野党からの質問に対して回答拒否や不誠実な回答を連発しています。

 なぜ、民間人の籠池氏は証人喚問で、国民の財産を預かる責任者の官僚は、責任を問われない参考人招致なのでしょうか。今日の籠池氏の証人喚問では、この二人の官僚だけでなく、平成28年3月に籠池氏と面談したと思われる財務省の官僚の名前も出てきました。これらの人々も証人喚問すべきでしょう。(「Yahoo!ニュース個人」より2017年3月24日分を転載)