籠池理事長は、国会での証人喚問の後、日本外国人特派員協会(FCCJ)で記者会見を行った。このときも、「忖度」という言葉が出て、これを通訳者はうまく訳せなかった。

 そのため、出席した記者たちに次のような説明があった。

 「忖度」という言葉が英語通訳で少々混乱を招いているようです。何通りかの言い方がありますが、「conjecture(推測)」「surmise(推測する)」「reading between the lines(行間を読む)」「reading what someone is implying(誰かが暗示していることを汲み取る)」などがそれに当たります。英語で「忖度」を直接言い換える言葉はありません。念のため申し上げました。

 このことをもっと詳しく知りたければ、「ハフィントンポスト」の記事《【森友学園】「忖度」は英語でどう通訳された? 籠池氏会見で外国人記者に》を読んでほしい。 

 会見後に出た「NYタイムズ」の記事では、「忖度」は“powers at work behind the scenes”(舞台裏の力)のように噛み砕かれて書かれていた。

 しかし、「忖度」の本当の意味は、上記のいずれでもないと、私は思う。一般的に「忖度」は、上記した辞書的な意味で解釈され、たとえば上司の顔色、意向を伺う、その場の空気を読んで物事を進めるというように思われている。

 しかし、そんなバカなことがあるわけがない。なぜなら、もし役人が上司の意向、空気を読み違えたらどうなるのかを想像してみてほしい。そうなったら、そんな組織は崩壊してしまうだろう。

 つまり、忖度というのは、日本の役人の場合、「言葉にはなっていないが確実に下された命令」に従うことを指すはずである。つまり、「unspoken order」(暗黙の命令)は確実に存在するのだ。忖度で役人の世界が成り立っているなんて、それは体のいいフィクションに過ぎない。
 というわけで、「森友学園ドラマ」の真犯人は、結局「忖度」には違いないが、そうさせる「力」「命令」は確実に存在している。メールがどうの、ファックスがどうのと言っても、そこには「忖度」は残っていない。

 都合が悪くなれば嘘をつく、そうした人間の心に確実に刻まれて残っている。

 「森友学園ドラマ」の結末は見えない。ただ、もう学園ドラマでは済まなくなった。政権が飛ぶ可能性もありえなくはない「国会ドラマ」になった。。なぜなら、「100万円寄付」に関しては事実は一つであり、どちらかが嘘をついているからだ。これを「水掛け論」と言っている方々がいるが、間違っている。

 水掛け論は議論がどまでも平行線になることであって、事実認定の話ではない。事実は一つしかないのだから、この問題は解決する。早く、どちらが嘘つきなのか解明してほしい。