ところで核心部分はもちろん「総理のご意向」といわれる部分だ。この「総理のご意向」については総理自身が否定している。また政府はこの文書が公式には存在しない、まさに「怪文書」であることを現時点の調査で明らかにしているといえよう。

 だが、そもそもこの文書に書かれていることが真実だとして何が問題になるのだろうか。繰り返すが文書の核心部分が真実だとしても、要は獣医学部の開設をできるだけスピード感をもって進めろ、と首相が命じているだけなのだ。

 国家戦略特区というのは、首相官邸ホームページの説明だと、「国家戦略特区は、産業の国際競争力の強化および国際的な経済活動の拠点の形成に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図るため、2015年度までの期間を集中取組期間とし、いわゆる岩盤規制全般について突破口を開いていくものです」というものだ。

「加計学園」が岡山理科大の獣医学部を新設予定の建設現場
=5月17日午後、愛媛県今治市
 簡単にいうと、規制緩和を短期集中的に行う枠組みである。規制緩和を早急に進めていくことを、首相が指示したとして何の不思議もない。「総理のご意向」などがあったとしてそれは違法でもなければ、道義的責任をもたらすものでもない。

 ましてや加計学園の理事長が首相の友人であり、その友人と会食やゴルフをすることが何の問題になるのだろうか。まるで友人関係があるために、不正なことが行われているかのような報道を目にするがあまりにもひどく、「魔女狩り」に近いものである。

 だが、この種の悪質な釣り、もしくは現代版魔女狩りの効果はバカにはできない。私のTwitterなどでもしばしば、「事実関係はわからないのですが」というコメントを頂戴する。つまり疑いの芽を少なからずもっている人たちがいるのだ。法的にも道義的にも何の問題もないのだが、マスコミが報道するだけで不安や疑心を抱く人たちが少なからず生まれるのだ。もちろん報道にそれなりの正当性があれば推測記事もありだろう。