日本テレビ系ニュース番組『NEWS ZERO』が5月22日の放送で「女性カップルの子育て」と題して同性カップルの問題を取り上げていたが、この特集からはある解釈ができる。それは、女性を「生殖」や「出産」といった子育てに直結した存在としてみる偏見が社会にいまだ根強くあるということだ。これが男性カップルに置き換えられた場合、「男はそもそも妊娠できない」といった身体観の下、男性カップルに対する「偏見」は女性カップルのそれよりもさらに増大すると考えられるのではないだろうか。
 話を学生アンケートに戻すが、男女の違いや性差別に終始した反対側の意見と類似した意見は賛成側からもいくつか上がったが、賛成側の意見の多くからは、人間がいかに柔軟で、多様な生き方を選ぶことのできる生き物であるかを再度考えることを重要視したものが多く見受けられた。ここに賛成側の共通意見もいくつか取り上げてみよう。

「男同士の方が経済力があって子供によりよい教育を受けさせられる」
「女同士はよくて男同士はよくないのは不平等だ」
「異性愛者の親のなかには子供を虐待したり育児放棄したりする親がいる」
「他人の目は気になるだろうが幸せを決めるのは他人じゃなくて自分たち」
「友人にゲイの人がいるから彼らにも幸せになってほしい」
「シングルマザーやシングルファーザーなど1人で子育てしている人たちだっている」
「女性同士は連れ子が血縁関係だが、男性同士ならそのようなしがらみがない」
「男同士だと子供を産むことができないので、より一層子供に愛情を注ぐはず」
「LGBTを否定すること自体、今の時代の流れにそぐわない」

 これら賛成側の学生の共通意見で最も多かったのは、「男性同性カップルのほうが経済的な余裕がある」とする意見だった。つまり、賛成側の「男性=経済力」と考える意見は解釈によっては、日本社会が依然「男性中心」であり、そこにおける女性の役割はあくまで従属的であると考えることができるだろう。こうした賛成側の意見からも分かるように、男性カップルの里親問題に対する若者の理解は深まりつつあるように思えるが、彼らの理解のうちにはいまだ「男性=経済力」といった、男性中心社会の価値観が根付いているのだ。

 また、賛成者の大半が女子生徒であったのに対し、反対者の大多数が男子生徒であった結果を考えると、男性側の意識を変えていくことがいかに重要であるかが分かる。男性にこれまで期待されてきた性別的役割をいかに流動化し変えていくかが、今後男性同性カップルの里親問題の在り方を考えていく上で重要な課題となりそうだ。