このため小泉純一郎首相は平成17年、安定した皇位継承のため、女子の天皇を容認する法案を国会に提出しようとした。しかし、長い男系の皇室の伝統を壊すものとして、反対する声も上がり、平成18年に悠仁親王がお生まれになることで、女性天皇実現の法案は提出されることなく、事態は一応の落着を見たのであった。

 あれから10年がたった。悠仁親王は健やかに成長されたが、男性皇族の薨去(こうきょ)や適齢期を迎えた女性皇族の結婚などでご公務を担う皇族数はさらに減少した。今後もその傾向は続く。

 そうした中で、女性皇族方を皇室にとどめる法令はない。女性宮家創設はそうした事態への対応策として提示されているが、これすら反対するとなると、ご公務の担い手は限りなく減少し、結果として国際親善や国内安定が損なわれていく。

 国事行為や「祈り」のみならず、世界や国内の人々と触れ合うご公務というものがいかに重要で困難なものであるかは、今回の陛下の退位の「お言葉」からも伝わる。

ブータン訪問のため、羽田空港を出発される秋篠宮家の長女、眞子さま=5月31日午前、羽田空港(代表撮影)
ブータン訪問のため、羽田空港を出発される秋篠宮家の長女、
眞子さま=5月31日午前、羽田空港(代表撮影)
 私は、女性皇族方にはお好きな伴侶を早く見つけて、一般国民には背負いきれない皇統維持とご公務という重荷から解放させて差し上げたいという気持ちが強いのだが、そうなるとご公務の先細りが加速する。

 現状では、女性皇族方に皇室にとどまっていただくしかないと思う。他方、女性皇族の婚姻相手に旧皇族の男子を結びつけようという動きがあり、そのために女性皇族が早急に自ら相手を選び皇室を離れようとしているとも伝えられる。必ずしも良い流れではない。少なくとも、女性皇族方をご自分の将来の展望が見えない状態のままいつまでも放置するのは、国民の態度としてふさわしくない。然るべき法整備をするべきだろう。