さて、ジャニーズを離れる3人の今後の芸能活動ですが、常識的に考えて今まで通りにはいかないでしょう。既に香取が司会を務めるテレビ朝日系『SmaSTATION!!』の9月終了が報道されていますが、20年も続いた番組が事務所の移籍に伴って終了するというのは、本来おかしな話ですよね。
(イラスト・不思議三十郎)
 確かに、新人や駆け出しのタレントが独立を画策して、業界から干されるというのは芸能界では珍しくありません。でも、芸能プロの論理からすれば、タレントの売り出しに莫大(ばくだい)な投資をしているのに、売れ始めた瞬間に事務所を辞められてしまったら、とんでもない損失です。個人の都合で移籍すれば、1年間は芸能活動を控えるという「暗黙の協定」が業界内の常識であるというのはある意味当然なのかもしれません。でも、四半世紀以上芸能界のトップに君臨したSMAPのメンバーを同等に扱うのは少し違います。彼らは言うなればタレントではなく、「アーティスト」というべき存在なのです。米国であれば、所属タレントを管理するエージェントは出演や金額など交渉業務を代行するだけなので、事務所を辞めれば出演番組が打ち切りになるという理屈は、理解できないかもしれません。

 3人の今後の芸能活動が、今まで通りに行かないことは芸能界の慣習から言えば当然ですが、それでも彼らが「新しい形」を模索してくれるんじゃないかとの期待もあります。仮にテレビ出演が難しくても、映画や舞台だってあるし、芸術家や小説家の道だってあります。彼らは誰もが認めるマルチな才能を持っているのですから、いかなる険しい道が待っていようとも、偉大なアイドルグループを支えたメンバーとして、これからも活躍してくれるはずだと思っています。(聞き手 iRONNA編集部、松田穣)

なかもり・あきお 昭和35年、三重県生まれ。80年代からさまざまなメディアでサブカルチャーを論じる。「おたく」の名付け親として知られる。著書に『アイドルにっぽん』(新潮社)『東京トンガリキッズ』(角川文庫)など多数。近著に『アイドルになりたい!』(筑摩書房)。