沖縄という土地の特徴は、現地の住民と少し話しただけで、この人が沖縄出身の「ウチナーンチュ」か、本土出身の「ヤマトーンチュ」か、容易に判断できるケースが多いということだ。言葉のイントネーションが大きく違うからだ。

 辺野古で機動隊による強制排除の現場を取材すると、明らかに本土出身者のイントネーションで「美(ちゅ)ら海を守れ」「警察権力の乱用だ」などという絶叫が聞こえる。叫ぶ元気がある比較的若い世代は、県外から流入したと思われる職業的活動家がほとんどのようだ。

 辺野古に行って反対派の話を聞いたり、リーダー格の演説に耳を傾けると、それは歴然となる。最前線の反対運動は間違いなく、本土出身者が一翼を担っている。沖縄出身者はもちろんいるが、辺野古住民はほとんどいない。しかし、それは反対派もメディアも決して発信したがらない「不都合な真実」だ。

 反対派のリーダーというと公務執行妨害容疑などで逮捕、起訴された山城博治氏が有名だが、彼がやたらと表に出るのは、恐らく沖縄出身だからだろう。本土出身者は用心深く、スポットライトに当たらないようにしている。メディアもそこは心得ており、新聞やテレビを見ると基地反対運動の現場で、意識的に沖縄出身者を取材する傾向があるように見受けられる。
スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で演説する沖縄平和運動センター議長の山城博治氏=2017年6月
スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で演説する沖縄平和運動センター議長の山城博治氏=2017年6月
 沖縄出身者と本土出身者の微妙な関係をめぐっては、沖縄メディアにも同じような状況が存在する。実際、反基地を発信する県紙の基地担当記者には、本土出身者が目立つ。

 沖縄の人材の市場はもともと狭い。県紙のように、ある程度大きな企業になると、沖縄出身者だけでは到底支えられず、優秀な本土出身者が登用されるのは当然だ。八重山日報は中小零細企業だが、本土出身者はいる。

 沖縄の基地反対運動の現場で飛び交う「クソ」「ボケ」などという反対派の怒号は関西弁。「これが沖縄の民意だ」と県紙に書く記者も関西人、「辺野古住民の多くは移設容認」と、県紙とは違う視点で取材する八重山日報の記者も関西出身、というコメディのような事態も現実に起こっている。

 ついでに言うと、沖縄に駐在して基地問題の記事を書いている全国紙の記者も、もちろん数年単位で転勤を繰り返す本土出身者である。こうした記者たちの特徴は「ステレオタイプの記事を書く」ということだ。