したがって、母集団の構成人数が増えれば、不祥事人間の数も増える。つまり、「魔の2回生」問題というものは、実際には存在しない。

 それなのに、メディアは2回生そのものが問題であるかのような報道をする。未熟な新人議員が大量に生まれることがよくないとし、小選挙区制には欠陥があるという。たしかに、小選挙区制導入以後、選挙が「風向き」によって、対立政党のどちらかの圧勝で終わるようになったのは確かである。

 実際、過去4回の衆議院議員選挙のうち、05年の「郵政選挙」、09年の「政権交代選挙」、そして12年の「民主党自滅選挙」では「風向き」が偏いたため、新人が大量に当選した。チルドレンが量産されたのである。前記したように、「魔の2回生」は、12年の衆院選で大量に誕生した。

 そのため、議員不祥事を防ぐためには、「新人を大量当選させる小選挙区制というシステムを変更する」「中選挙区制に戻したらどうか」という論調が幅を利かすようになった。

 しかし、これは誤りである。なぜなら、前記したように、不祥事確率はどの集団でも同じようなものだからだ。つまり、新人を減らしたところで、不祥事は減らない。もし、減ると言うなら、これをデータで実証しなければならない。

 では、不祥事議員を減らすのにはどうしたらいいのだろうか。それは、単純に議員数そのものを減らせばいい。日本の国会議員の数が多いか少ないかは、いろいろな議論がある。各国によって政治制度が違うので、単純に数の比較だけでは議論は成り立たない。ただし、現在の日本の状況、つまり財政は毎年赤字で破綻も視野に入っていること、すでに人口減社会に突入し、有権者数も減少していくことを考えれば、現行の国会議員数「衆議院議員475人・参議院議員242人、合わせて717人」は多すぎるのではないだろうか。
公選法改正案を可決した衆院本会議=6月8日
公選法改正案を可決した衆院本会議=6月8日
 国会議員に支払われる「歳費」(給与)は月額約130万円、期末手当が約630万円で年間約2200万円。これに、文書通信交通費として毎月100万円、立法事務費として毎月65万円、政党交付金として毎年4000万円、秘書の給与(政策秘書、第1・第2公設秘書の3人)約2500万円などが加わり、議員1人辺りに税金が約1億円も注ぎ込まれている。つまり、議員数を減らせばおのずと税金が浮くわけで、減らすにこしたことはないだろう。