籠池氏本人の認識にたてば、「先代からの宿願であった小学校建設に邁進(まいしん)するなかで、教育基本法改正という時代の風が吹いた。その風に乗ったところ安倍夫婦と繋がった。その後その風は神風となり、小学校建設一歩手前までこぎ着けた。にもかかわらず、安倍夫婦の変心で神風は逆風となり、いまやすべてを失った」ということなのだろう。

 「いまおもたら、ここ数年間は、安倍さん夫婦の一言一言に翻弄されてきたようにさえ思う」

 そう語る籠池氏の顔には寂寥(せきりょう)感さえ漂っている。当時の顧問弁護士だった酒井弁護士とともに盛んにテレビに露出していたころの、「大阪のあくどい中小企業者」然とした面影は、もはやどこにもない。

 3月末の国会証人喚問の後、籠池氏はある習慣を再開した。毎朝5時に起床。そのまま端座合掌し約一時間ほど瞑想(めいそう)する。「生長の家」の教祖・谷口雅春氏が提唱した瞑想(めいそう)法「神相観」だ。元来籠池氏は熱心な「生長の家」信者。かつては毎朝「神相観」を行っていた。しかし小学校建設プロジェクトが加熱したころからいつしかこの瞑想(めいそう)を行わなくなったのだという。

自宅前で取材に応じる籠池泰典氏(左)
=7月27日、大阪府豊中市
自宅前で取材に応じる籠池泰典氏(左) =7月27日、大阪府豊中市
 「いろんなことが次々と起こり、舞い上がっとったんやろうな。神想観(しんそうかん)もやらんようになったし、『甘露の法雨(かんろのほうう)』(生長の家の経典)も読まんようになってた。いまようやくその大切さを思い出し、またやりはじめたところ。まあこんなんでは、雅春先生に怒られるわなぁ」と、籠池氏は自嘲気味に自分の「信仰回帰」を語る。

 「僕は何が大切か思い出した。何が根本なのかを思い出したんや。安倍さんはどうやろうなぁ? 第一次政権のころのような、あの混じりけのない愛国心はどこへいってしもうたんやろうな? 地位のため嘘をつき、他人を蹴落とす。あのままでええんかね? あんな人が総理大臣で、日本国はほんまに大丈夫やろうかね?」

 籠池氏の問いかけに、安倍首相はなんと答えるのだろうか。