次に「原発・エネルギー政策」の違いです。これも明らかな対立軸です。原発を「基幹(中心的)電源」として推進する、原発を「安全規制基準に適合」さえすれば、どんどん再稼働させるのが自民党であり、原発を近い将来ゼロにし、再稼働についても「安全基準に適合」しているだけでなく、国が責任を持つ避難計画などがなければ反対する、そして「再生・新エネルギー立国」を目指すのが民進党です。
再稼働した関西電力高浜原発3号機(左)と4号機=2017年5月17日、福井県高浜町(本社ヘリから、奥清博撮影)
再稼働した関西電力高浜原発3号機(左)と4号機=2017年5月17日、福井県高浜町(奥清博撮影)
 そして「経済政策」にも違いがあります。アベノミクスは大企業や業界を元気にすれば「トリクルダウン」(その効果が下流にしたたり落ちて)で人や暮らしが豊かになるという政策です。民進党は、経済成長も大事ですが、「所得再配分(税金の配分)」で直接「人や暮らし」に投資する。具体的には、医療や介護、年金・子育て支援などで「懐(家計)を温かく」し、国内総生産(GDP)の6割を占める消費を喚起していくことを目指します。その目玉として「教育無償化」や「介護士や保育士の処遇改善」などがあります。

 「働き方改革」を典型に、最近は安倍首相の「抱きつき戦術」による「争点つぶし」で、政策面でなかなか違いが国民に見えにくくなっていますが、上記の基本政策において今後、安倍自民党との違いを鮮明に出し、国民に強くそれを訴えていくことが必要不可欠でしょう。

 最後に、以前から「バラバラ」と批判されてきた党のガバナンスを確立することです。私は昔、自民党政権を官邸で支えていたことがあるのですが、自民党も結構、右から左、考え方に幅のある政党なのです。しかし、党内でいろいろ異論が出ても、自民党の場合はそれがむしろ「党の活力」と評価され、一方で民進党、いや旧民主党は、同じことをしても「バラバラ」と批判される。この違いは「『人徳』ならぬ『党徳』の差?」としか言いようのないものなのですが、私もこの党に代表代行として携わってみて、やっとその真因のようなものが分かってきました。

 どの政党だって、党の方針決定までは侃々諤々(かんかんがくがく)大いに議論があって良い。しかし、いったん機関決定したらその党の方針に一致結束して従う。こうした当たり前のことを当たり前に行う「文化」を作り上げなくてはならないのです。

 そのためには、その決定までのプロセスが大事なのです。一言でいえば「気配り」と「配慮」です。役員や幹部だけでなく、その政策や問題で異論のある人、要路にある人には、必ず事前に話を通す。簡単にいえば「根回し」なのですが、こうした民間でも役所でも当たり前のようにやっていることができていないのです。だから、単に「平場(会議)で議論しました」だけでは「決定」に納得感がない。人間誰しも、たとえ反対の考えであっても、事前に話を聞き、根回しされれば多少不満でも矛を収める。そういうものではないでしょうか。