しかし、この党では、これまで10人や20人の部下さえ使ったことがない人が多い、組織にいてそうした経験を積んだ人が少ないために、そうした「気配り」や「配慮」ができない。その結果、たとえ党方針を決定しても、いつまでたっても不満が充満し続けてしまうのです。こうした繰り返しが、この党の「バラバラ感」「ガバナンスのなさ」を露呈してきたのではないでしょうか。

 この点、自民党には中小企業の経営者や役所の幹部を務めた元官僚など、「組織」にいた人が多くいます。また、象徴的な慣行として、自民党の最高意思決定機関である総務会の決定に反対の人は「トイレに立つふりをして席を外す」といった政治の知恵を働かせて、組織統一を図ってきたのです。こうした「懐の深さ」「したたかさ」を民進党はもっと学ばなければなりません。

 そして、最後に「連合(日本労働組合総連合会)」との関係です。もちろん、民進党最大の支援組織である連合の提案や意見は最大限尊重しなければなりません。ただ、お互い別組織である以上、違いがあるのも当然で、それを前提とした(お互いの違いを認めた)うえで、もっと「大人の関係」にしていかなればならないと考えています。

 「大人の関係」とはこういうことです。それぞれの核心的利益(こだわる政策など)はお互いに尊重する。それ以外の政策などについてはたとえ違いがあっても、それはそれで認める、そして互いの友好関係には影響させない。こうした連合との関係は、まずトップ同士で議論し整理する。そして明確な方針を決める。そして、それを都道府県連や地域に落としていく。そうしたたゆまぬ努力が不可欠でしょう。自民党と経団連、業界団体との関係は、ある程度こうした「大人の関係」ができていると思います。
握手を交わす民進党の岡田克也代表(右)と連合の神津里季生会長=2016年6月2日、東京都墨田区(松本学撮影)
握手を交わす民進党の岡田克也代表(右)と連合の神津里季生会長=2016年6月2日、東京都墨田区(松本学撮影)
 いろいろ申し述べました。このように、今の民進党には難問山積、低迷からの脱出には容易ならざるものがあります。しかし、自民党、民進党という政党形態が、上述したようにある意味、国際的に普遍的な二大政党の形態であることも事実ですから、少し時間がかかるかもしれませんが、一歩一歩地道に、一つ一つ課題を解決しながら、「政権交代可能な政党」と国民に認知していただけるよう、日夜努力していくしかないのではないでしょうか。