そこに9月の代表選挙の争点がある。政策的な矛盾も選挙に勝つことで、最適解に向けて徐々に進むかもしれない。最後に追伸のように触れれば、この原稿の締め切りが延びる間にもいくつかの変化があった。

 枝野幸男氏に続き代表選挙に前原氏が立候補することを表明した。本来なら30代、40代の世代が名乗りをあげるような代表選挙が望ましい。かつてのイギリスのブレア、最近ではフランスのマクロンのように、30代から将来を見越して育てられた人材がなかなか見当たらないことも民進党の問題だろう。
基本政策を発表する枝野幸男元官房長官=2017年8月8日、国会内(斎藤良雄撮影)
基本政策を発表する枝野幸男元官房長官=2017年8月8日、国会内(斎藤良雄撮影)
 その世代の候補者が出てこれないのは「年功序列の労組」に大きく依存しているからである。共産党が不破哲三氏を40歳で、志位和夫氏を35歳で書記局長に抜擢したような驚くような人事ができない組織体質を改善しなければならない。

 さらにいえば、「離党を検討している」という捨てゼリフをいとも軽々しく口にする議員が散見されることにも問題がある。これは議員の人間的資質に帰せられることではあるが、あまりにも軽い。「離脱の精神」(藤田省三)は貴いものである。

 離脱の自由があるからこそ結束の絆も強まる。執行部への圧力になるかのように容易に離党を言うのは「狼が来るぞ」と繰り返す少年のようだ。ともあれ「安倍一強」政治に綻びが生じた今、野党第一党の責任は重い。地道な改革を積み重ねていくことしかないだろう。「活路のない危機はない」のである。