〈棄権〉こそ〈危険〉のサイン
 東氏の提案は、見方によってはさらに過激なものだ。白票でも、票を投じてしまえば選挙を正当に成立させるだけ。政権維持に利用されるぐらいなら、投票そのものを拒否して選挙の正当性の根拠となる「投票率」を引き下げてやろうという、強烈な意思表示に映る。関西大学東京センター長の竹内洋・名誉教授(社会学)は、東氏の「棄権」の意図を汲み取って解説する。

「今回の安倍首相の乱暴な解散戦略に対して、本来“禁じ手”である棄権を意図的に呼びかけるという手法はありうるかもしれない。極論だが、仮に棄権が80%や90%に上れば政権にノーを突きつける“静かな革命”でしょう。政府・与党にとってみれば、〈棄権〉こそ〈危険〉のサインになる」

「棄権」が80%であれば投票率は20%になる。これまで、投票率は低いほど組織票のある自公に有利とされてきた。それが逆に“低すぎる”状態を作り出せば、与党への(野党にも)かつてなく強烈な「NO」になるという指摘だ。

 そもそも、自・公は衆院の議席の7割弱を占めているが、大勝した前回でさえ両党の得票(比例)は有権者全体の25%弱に過ぎない。“棄権運動”が効果を発揮すれば、その実態も炙り出されることになる。

「棄権が充分集まらなければ、注目されることもなく、安倍首相のダメージにもつながらない」

 そう竹内氏は棄権運動のリスクも指摘した。

 東氏はツイッターで、〈他人に棄権しろというつもりはない。ただ、棄権がオプションだと訴えたい〉とも綴った。この“静かな革命”の成否は「有権者が東さんほどに腹を括って“怒り”を表現できるか次第」(竹内氏)だという。

 棄権の数が、危険水域まで達することはあるのか。

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