ところが、この措置には対象となった4県から猛烈な反発が生じ、改正法採決の際には同県選出の与党議員が棄権する事態に至った。4県では現在も合区解消を求める声が強い。

 このため、参議院議員は地域代表として「一票の格差」とは別の代表制を認めるべきとする議論が現れている。参議院議員の選挙区は都道府県と一致しており、地域代表性と馴染みやすい。合区解消の弁法と評する向きもあるが一考すべき議論だろう。

 しかし、参議院を地域代表の府とした場合、衆議院との関係はどうなるのか。選挙の実態から考えても、地域代表としての性格が濃いのは衆議院議員と見るのが一般的だろう。衆参両院については、選挙制度のズレによって異なる民意が表出される問題が指摘されているが、両院の性格と制度を改めて考える時期に来ているといえよう。

 より大きなトレンドで見れば、国内における人口の偏在にどう対応していくかという問題がある。偏在の進行は「一票の格差」の拡大に繋がる。現行制度での是正可能性には疑問が残る。

 偏在が拡大していけば、区割り変更の頻度は増えるだろう。一方で頻繁な区割りの変更は国政に自分たちの声が届かないという有権者の不安を招く。それは政治的有効性感覚の低さに繋がり、政治不信に拍車をかけ、投票率をさらに低下させる恐れがある。解決は容易ではない。
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 しかし、政治的な安定がある今こそ、代議制民主主義と「一票の格差」、それに国民代表論と地域代表論という連立方程式の解を探る好機だろう。そのためには選挙区はもちろん、衆議院、参議院のあり方を含めた統治構造全般を対象とした議論が行われることが期待される。

 現内閣は、主要閣僚と官邸スタッフを留任させ、人材の力によって当面の課題に対処し、長期安定政権を現出してきた。その内閣が折り返し地点を迎えた今、次を見据えた抜本的な制度的な改革に着手するタイミングが訪れている。