小池百合子東京都知事についての報道も同じ構図だ。都知事選、千代田区長選、都議選と、「小池旋風」が吹いているときはそれほどでもなかったが、希望の党を立ち上げ、民進党の前原誠司代表と手を組んでから風向きがガラッと変わった。小池都政1年の検証はそっちのけで小池批判に舵を切った感がある。そこにはなんのポリシーもない。豊洲市場問題、オリンピック問題などどこかに消え去ってしまった。これでいいのか。
2017年10月、パリへ出発する小池百合子東京都知事=羽田空港国際線ターミナル(宮崎瑞穂撮影)
2017年10月、パリへ出発する小池百合子東京都知事=羽田空港国際線ターミナル(宮崎瑞穂撮影)
 北朝鮮問題しかり、だ。最大の脅威なら日本は安全保障をどうしたら良いのか、拉致問題をどう進展させるべきなのか、政治家に考えさせるような報道が必要だろう。

 一部政党の消費税先送りや原発ゼロといったポピュリズム政策をちゃんと検証しているといえるだろうか。自民党の政策でも、消費税の使途変更で国の借金返済は遅れることが明白だ。政策ごとに各党の公約をちゃんと比較・評価して視聴者に届ける努力をしているだろうか。

 そうした中、日本でも偽ニュースを検証する、ファクトチェックの動きがようやく出てきた。国内初の本格的な検証団体「ファクトチェック・イニシアチブ」が立ち上がり、その趣旨に呼応してネットメディアのBuzzFeed JapanやGoHoo、ニュースのタネ、そしてJapan In-depthらが参加し、総選挙に関する報道や政治家の発言などを検証し始めた。朝日新聞などマスコミにもその動きが見られた。これは健全なことであり、メディア同士のチェックもこれからますます進んでいくだろう。

 こうした動きはメディアに対する国民の信頼を取り戻すことにつながることから歓迎すべきことだ。しかし、テレビはファクトチェックに熱心とは思えない。

 報道以外の番組で批判が集まることも珍しくない中、自ら批判しその内容を公表することが、信頼回復につながり、評価が高まるということを理解すべきである。

 もはやメディアは「第4の権力」などといってあぐらをかいている場合ではない。インターネット上で誰でもニュースを検証でき、その結果をSNSで拡散することが容易になった。ファクトチェックはますます進むだろう。

 今後テレビはワイドショーやドラマ、バラエティーなども含め、発信する情報全ての品質管理を厳しくしていかねばならない。さもなくば、テレビだけ置いてけぼりを食らうのは間違いない。