いずれにせよ、「大義なき選挙」「国難選挙」は終わった。この間、ネットを含めて膨大な情報が飛び交った。特にネット空間では、ネトウヨ、極右、リベラル、ネトサヨ、ネトサポなどの「血みどろ」の攻防が繰り広げられた。今や政権擁護のネット組織がギャラをもらってプロパガンダを流している、あるいは左翼系サイトを攻撃していることは広く知られている。また、テレビ報道では「電波芸者」と揶揄(やゆ)されるコメンテーターが「与党は正しい」コメントを流し続けた。

 しかし、こうしたことすべてを批判するのはおかしい。なぜなら、繰り返し書くが「公正報道」はもはや無意味だからだ。したがって、こうした世界でたやすくだまされるとしたら、だまされた人間のほうが悪いのだ。
雨の中、街頭演説に耳を傾ける有権者たち=2017年10月21日、東京都中野区
雨の中、街頭演説に耳を傾ける有権者たち=2017年10月21日、東京都中野区
 ネットの世界のプロパガンダには、本来、政治思想など存在しない。右も左もない。発信・運営する側はマネーで動いているからだ。 現在では、ビッグデータを人工知能(AI)で解析してプロパガンダがつくられている。例えば、トランプ大統領を誕生させたとされる英データ分析会社「ケンブリッジ・アナリティカ」は、ヘッジファンドの大物ロバート・マーサーが大金をつぎ込んでつくった。日本でも同じだ。ただ、日本の業者はいまのところ単におカネを得て、右や左に偏ったプロパガンダを製造し、さらに敵対サイトに書き込み攻撃をしているだけだ。だまされるほうがどうかしている。

 よく、人は信じたいことを信じるといわれる。これは、ある意味で正しく、例えば左翼なら「政権は腐敗している」系の記事、右翼なら「日本は素晴らしい」系の記事ばかり喜んで読んでしまうという悲しい習性を持っている。これを「選択的接触」と呼ぶようだが、この傾向が強い人間ほど情弱であるのは間違いない。

 要するに、情弱の人々というのは「すき好んでだまされる」のだ。果たして日本人はそれほど情弱ばかりなのだろうか。選挙結果を見て、考えてみることが大切だ。