さらに、選挙が終わってからも、朝日新聞などは選挙結果を国民の意思として認めないという論調を続けた。
東京都中央区にある朝日新聞社東京本社(産経新聞社チャーターヘリから、納冨康撮影)
東京都中央区にある朝日新聞社東京本社(産経新聞社チャーターヘリから、納冨康撮影)
 立憲民主主義とは、選挙で誰が過半数を占めたか、それが実現していなければどこが第一党かを尊重するということなのである。一般的な人気や大きな影響力を持つ人の意見、アンケートなどによる調査、得票率などといった意見集約方法の結果ではなく、唯一国会の議席の数、特に過半数を制しているかどうかをもって国民の意思とすることこそ、立憲民主主義なのだ。選挙の結果にかかわらず、「国民の意思が別のところにあるから無視しろ」というのは、まさにナチスやボリシェビキの論法だ。

 「野党分裂型」の226選挙区は全289選挙区の78%を占める。結果は与党183勝、野党43勝と与党側の大勝だった。これに対し、「与野党一騎打ち型」の57選挙区では、与党39勝、野党18勝。分裂型に比べて野党側が善戦した。

 野党が分散した最大の原因は、民進党の分裂だ。民進の前原誠司代表が衆院選前に小池百合子・東京都知事率いる希望の党への合流を表明。民進で立候補を予定していた人は希望、立憲民主党、無所属に3分裂した。

 ただ、民進は前原執行部の発足以前、共産党や社民党などとの野党共闘を進めていた。昨年7月の参院選では、32の1人区で野党統一候補を擁立し、11勝という成果を上げていた。

 そこで、「立憲、希望、共産、社民、野党系無所属による野党共闘」が成功していればという仮定のもと、朝日新聞は独自に、各選挙区でのこれらの候補の得票を単純に合算する試算を行った。その結果、「野党分裂型」226選挙区のうち、63選挙区で勝敗が入れ替わり、与党120勝、野党106勝となった。

 3年前の総選挙でも日本経済新聞が「衆院選分析 自民、得票率は48%どまり 議席占有率は76%」と報じたが、連立政権を組むための政策協定を結べずに政権を取れば、公約違反は必然となる。

 だから、ワンセットでの政権公約を出した勢力のなかで最有力のグループが過半数を取りやすいような選挙制度になっているのが普通だ。イタリアでは第一党(政党連合)に過半数の議席を与えるようにしているし、スペインは、議会で過半数を形成できなければ、前政権が引き続き政権を担う仕組みだ。現政権を倒したいのなら、選挙の前に連立政権の政策合意をしなさいというだけのことである。

 さらには、投票率まで問題にして、自公への投票は有権者の4分の1程度という論法も使われているが、棄権はあくまで白紙委任という意思表示であって、選挙への不参加ではないはずだ。