朝日新聞の国際的影響力とは


 朝日の問題で言えばもう一つ、一連の慰安婦報道が日本の国際的評価を貶めたという指摘があります。これについて第三者委員会の中で、本当にどれほど影響があったのかどうか、林(香里)先生が定量的に分析しています。

■データから見る「慰安婦」問題の国際報道状況(朝日新聞デジタル)

 データによれば、実は思ったほどの影響ではないという話になっていましたよね。あれがなかなか難しいのは、産経さんが日本を貶めたのは朝日の影響力が大きいと言えば言うほど、朝日新聞は国際的信用度が高いみたいに思えてしまう。朝日を叩くことがかえって、日本を代表する新聞という風に持ち上げられてしまって、これは痛しかゆしだなって感じがする。林先生が分析したデータを見ると、確かに言われているほどの影響力はないって結果なんですよ。あれはあれで結構、おもしろかったですけどね。

 もちろん、報道の影響力というのは活字の面積やテレビで放映された時間だけで計れるものではありません。ごく小さな記事でも、人間の記憶に残ることだってあります。「強制連行した」という証言が日本国内でそれなりの衝撃を持って受け止められた部分が、海外ではどうなのかというのは実際のところよく分からない。別に朝日の影響力がなかったとは言いませんし、逆にどれだけあったのかと言えるだけの根拠を私は持っていないので。全くなかったはずではないけど、じゃあ、どれだけあったのかというのも、実はよく分からない。

 ただ一つ言えるのは、「慰安婦」という言葉自体がひとり歩きしたという影響はあるわけでしょ。「女子挺身隊」が「慰安婦」とイコールの、あの間違いの方が大きいと思います。女子挺身隊を慰安婦と混同した部分に関しては、たとえば韓国では「慰安婦20万人説」っていう話まで出てきちゃうわけです。この責任はありますよね。明らかにね。強制性に関しての国際的な影響力っていうのは、私もそれを判断するだけの材料がないので自分としては言えませんけど、女子挺身隊と慰安婦を混同させたのはやっぱり問題だと思います。これは朝日の責任として、今後も国内外に向けて「実は間違っていました」ということを言い続けるべきだと思います。

 この問題について、一読者として最も違和感があるのは、産経さんが「朝日はその責任をどうするんだ、どうするんだ」と追及してるでしょ。極論かもしれないけど、産経新聞が朝日に代わって世界にアピールすればいいんじゃないですか? 少なくとも私はそう言いたくなるんです。日本を代表する新聞としてきちんと論陣を張り、世界に向けて「朝日は間違っている」ということを発信すればいいじゃないですか。やはり言論をもって言論をということだと思うんです。読売さんだって、朝日は違うとかやっているわけでしょ。読売は読売できちんと論陣を張る。産経は産経でやる。また、毎日や東京もまた別のやり方をやればいい。それが本来のあり方じゃないですか。人を叩いている暇があったら、自分のところで誇りをもってやりなさいよと、私は言いたいですけどね。