そして現代では避けて通れないものに遺伝子組み換えのものがあります。これは法学者間でも意見が分かれるところではありますが、植物に関しては厳しい自然環境に適応するよう作る必要があり、それにより生命が維持できるとの判断でハラルとする見解が多いように思われます。

 しかし、動物の遺伝子組み換えに関しては、クローンを作り出すとのことからハラムとする見解が多いように思います。ただし、「自分の細胞を使う限り良い」とする医療的な立場からの判断もあります。

 日本人にとって最も悩ましいのは動物、特に食肉に関するハラルではないでしょうか。陸上生物では草食動物はすべてハラルであり、そこからとれる卵や乳もハラルです、ただ食肉については、シャリーアで定められた屠畜(とちく)方法で屠(ほふ)られていなければ「ハラルミート」とはみなされません。
(iStock)
(iStock)
 ハラムは豚、犬、肉食(捕食するもの)、雑食、鋭い牙や爪を持つものとしています。鳥類でいうならば猛禽(もうきん)類となります。特に豚に関しては、それ自体が不浄なものとされ、豚の体内から抽出した成分や、脂肪や毛皮、毛などすべてをハラムです。また豚や豚由来のものに触れたものも不浄とされるので注意が必要です。また、禁じられたものには、死肉、流れる血、絞殺されたもの、打ち殺されたもの、墜死したもの、角で突き殺されたもの、野獣が食い残したものがあります。ただし、とどめを刺したものがムスリムであればハラムではありません。

 そもそも食べる習慣がないので判断に難くないと思いますが、害獣、害虫類や不快さ、不潔さを連想させる生物もハラムです。イスラムであやめてはいけないとされるキツツキ、花蜂など有益なものもハラムに含まれます。
  
 「家畜等の飼料はどう判断するべきか?」という質問をよく聞かれます。飼料を仕入れる中で、内容物までに細心の注意を払いきれないということがあるようですし、事実輸入飼料に動物性のものが配合されていることもあります。また放牧していれば、家畜がなにを食べているのかを把握しきれない場合もあります。

 これらは悪食動物の改善飼育期間というものに該当し、動物などの種類により定められた期間、清浄な餌を与えられたならば食すことができるとしています。

 あらゆる現場で共通し悩ましいのはアルコールの扱いではないでしょうか。基本的見解はハディースにあるように、酩酊するものはすべてハラムとしています。酩酊するものという意味では酒だけでなく、中毒性、酩酊性のある薬なども当然ハラムです。