さて、アニメが公開されて2カ月ほどたった6月中旬、韓国の地方紙が「日本人が独島のアシカを絶滅させた」という説がまったくのデタラメであったことを報じた。2016年6月13日、韓国の慶尚毎日新聞(ネット版)は「1950年代半ば、独島に駐在していた独島義勇守備隊の複数の隊員から『当時、アシカは最小限700頭余りが生きていた』という証言が得られた」「1960年代に独島に駐在していた海洋警察隊員と漁民が『数百頭のアシカが棲息(せいそく)していた』と証言している」「1970年代初頭に工事のため独島に渡った韓国・欝陵島の住民が『当時、アシカ数百頭が生きていた』と証言している」と報じたのである。
島根県の竹島で捕獲されたニホンアシカの幼獣を撮影した最も古い写真とみられる絵はがき(島根県竹島問題研究会提供)
島根県の竹島で捕獲されたニホンアシカの幼獣を撮影した最も古い写真とみられる絵はがき(島根県竹島問題研究会提供)
 同紙は、アシカ絶滅の背景について「アシカからは漢方薬として重用されていた海狗腎(かいくじん、アシカの生殖器)と肉を得られた」「独島を警備していた隊員が(アシカを狙って)機関砲を撃ち、射撃訓練をしていた」「隊員の中には『海狗腎を政府の高官や軍の上層部に上納していた』と証言する者もいた」「独島周辺では韓国によるイカ漁などの漁業が盛んになり、集魚灯近くにアシカが出現すると魚が逃げるため、漁師らが追い払った」とも報じている。つまり、1970年代まで独島にアシカは生息しており、その後韓国側の乱獲や漁労行為によって絶滅したことを意味するのである。もっとも、この報道は「独島守備隊・カンチ」ほどの関心さえ呼び起こさなかった。韓国人は自らに都合の悪い、かつ日本を利する恐れのある「不都合な真実」に対しては、徹底して目をつぶる傾向が強いのである(現在、この記事は削除されてしまって読むことはできないが、記事の概要を記した新たな記事もアップされており、その概略だけは把握することができる)。

 以上、反日国策アニメ『独島守備隊・カンチ』の内容と背景を見渡した。日本には、竹島にも、アシカにも、もちろん「竹島の日」にも、まったく関心がない、という人が多いことは筆者も承知している。ただし、日本人がそう思っているからといって、韓国人も同様などと考えることは大きな誤りである。

 韓国には、幼少時からこうした国策反日アニメで洗脳され、事実に反する誤った歴史認識を注入され、日本に対する敵愾心を燃え立たせている国民が数多くいることを認識しておかなければならない。『独島守備隊・カンチ』は、韓国人の本性を理解するための、ある意味で良き教材でもある。領土問題に関する限り、日本人も韓国に対する甘い想念を捨て、覚悟を決める時が来ているようである。