そんな中で出てきた今回のUFO文書公開が、なぜ多くの人の関心を集めるようになったのだろうか。一つの理由は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に代表される、ネット世界の関心の多様化ではないだろうか。

 筆者の感覚では、2010年くらいから再びUFOへの関心が高まってきているように思える。もちろん往時ほどの高さはないようであるが、それでもUFOが話題に出ることがひところよりは増えてきていることを感じる。そのような話題が出る場所の多くはSNSだ。例えば映像がユーチューブに公開されたり、話題がツイッターで共有されたりしていく。

 SNSは、同じような趣向を持っている人たちが話題を共有しあうとともに交流することができる絶好のプラットホームである。そして、そのような人たちとの交流を盛んに続ける一方で、他の話題には振り向かなくなる傾向が強まるにつれ、UFOや宇宙人の訪問などをかたくなに信じる人たちが再び増えてきているのではないだろうか。
(iStock)
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 また、SNSもそうだが、ネットニュースメディアの普及により、「大手の新聞社やテレビ局が伝えていない」情報が手に届きやすくなった。そういった情報の中にUFOや宇宙人に関する情報があれば、それがやはりSNSで共有され、信じる人が多くなっていく。さらに、主流メディアが伝えていないことを逆に捉え、実は陰謀論的な圧力が加わっているのではないかという考え方に至るケースもある。

 そのような、いってみれば水面下でじわじわと広がっているようなUFO「ブーム」の中に、まるで投げ込むように出てきたのが今回の報道だったわけである。UFO、宇宙人、政府の隠蔽(いんぺい)というプロットにちょうどぴったり当てはまる今回の内容は、そのようなことを信じるコミュニティーにあっという間に受け入れられたというわけである。

 では、今回ニューヨーク・タイムズが報じた内容は本当にUFOなのだろうか。その前に、ひとつ整理しておく必要がある。ここまでお読みになった皆さんなら気づいていると思うが、「UFO=宇宙人の乗り物」ではない、という点に注意する必要がある。