2018年03月07日 11:40 公開

北朝鮮の最高指導者・金正恩氏の異母兄、金正男氏が昨年2月にマレーシア・クアラルンプールで殺害された事件について、米政府は6日、北朝鮮が猛毒のVXガスによる殺害を命じたものと結論し、追加制裁を導入すると発表した。

米国務省のヘザー・ナウアート報道官は、「化学兵器の使用を禁止する普遍的規範を公然と軽んじたことで、いかに北朝鮮が無軌道な国かあらためて示された。これによって、北朝鮮の大量破壊兵器計画をいかなる形でも容認できないことが強調された」と批判した。

金正男氏はクアラルンプール国際空港で、猛毒のVXガスを顔にこすりつけられて死亡した。実行犯として起訴されたインドネシア人とベトナム人の女性2人は、昨年10月の初公判で無罪を主張し、テレビ番組用のいたずら企画だと思っていたと供述した。

米政府は事件発生から一貫して、北朝鮮が計画したものだと非難してきた。

北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は5日に平壌で韓国政府の特使団と会談したばかり。6日夜には帰国した韓国側が、両国が4月に軍事境界線上の板門店で南北首脳会談を行うことで合意したと発表した。韓国政府によると、正恩氏は北朝鮮の体制保証を条件に、非核化に応じる構えを示しているという。

今年1月1日に正恩氏が、韓国・平昌の冬季五輪に選手団を派遣する意向を示して以来、韓国と北朝鮮は高官級会談を開き、五輪開会式では両国の選手団が統一旗の下で合同入場するなど、融和の空気が高まっている。五輪開会式には、正恩氏の実妹の金与正氏が兄の親書を携えて出席し、韓国の文在寅大統領に訪朝と南北首脳会談への出席を促した

4月に首脳会談が実現すれば、2007年10月以来で3回目となる。

韓国が南北首脳会談の実施予定を発表すると、ドナルド・トランプ米大統領は北朝鮮の動きについて「前向き」なものだが「期待はずれ」に終わるかもしれないとツイートした。

北朝鮮はこれまで、核・ミサイル開発の中止を何度か表明しているが、開発は続いた。

異母弟の正恩氏が父の後継者に選ばれた後、正男氏は北朝鮮よりもマカオや中国本土、シンガポールなどに滞在することが多かった。自分の一族の独裁体制を批判することもあり、2012年に出版された本では、正恩氏には指導者としての資質が欠けていると発言していた。

(英語記事 North Korea used VX nerve agent to kill leader's brother, says US