2018年03月09日 10:19 公開

ドナルド・トランプ米大統領が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による首脳会談の要請を受諾した。金委員長は核・ミサイル実験の停止を提示したという。訪米中の韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長が8日、ホワイトハウスで発表した。

今週5日に平壌を訪れ、金委員長と会談した鄭氏ら韓国特使団は、金氏の親書をトランプ大統領に渡した。

先月韓国・平昌で開かれた冬季五輪をきっかけにした南北の緊張緩和のなか、韓国特使団は金委員長と歴史的な会談を行い、その後、米国に北朝鮮のメッセージを伝えるため訪米した。

激しい非難合戦が何カ月も続いていたなかで、緊張緩和への大きな進展があったみられる。

トランプ大統領はツイッターに、「金正恩は韓国特使団に非核化について話した。凍結だけじゃない。その上、この間は北朝鮮はミサイル実験はしない。大きな前進だが、合意ができるまで制裁は続く。会談が計画されている!」と投稿した。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/971915531346436096

「核実験を凍結」

トランプ氏との面会後、ホワイトハウス前で記者会見した鄭氏は、「北朝鮮の指導者の金正恩氏との会談で、金氏が非核化への強い決意を述べたと、トランプ大統領に伝えた」と語った。「金氏は北朝鮮が核・ミサイル実験を控えると約束した」。

「トランプ氏は情報の伝達を感謝し、恒久的な非核化を達成するために、金正恩氏と5月までに会うと語った」

鄭氏の発表全文はこちら

北朝鮮では、度重なる人権侵害が確認されているほか、国連安全保障理事会の決議に違反する形で核兵器の開発報告が進められてきたことから、長年のあいだ国際社会から孤立してきた。

北朝鮮の指導者と直接会談した米国の現職大統領は過去にいない。それだけに、米朝首脳会談の実現は外交上、地殻変動的な影響を及ぼす可能性がある。

しかし、韓国の首都ソウルで取材するローラ・ビッカー記者は、北朝鮮が核兵器を放棄するとはいまだ言っておらず、非核化への強い決意を示しただけにすぎないのに留意すべきだと指摘した。

ビッカー記者はさらに、金委員長が政治的宣伝面で勝ち点を得たと指摘。一方で、トランプ氏もこれまでの攻撃的な対応が双方を交渉のテーブルに着かせたと、自分が勝った気持ちでいるだろうと語った。

トランプ氏は繰り返し金委員長を見下す態度を取り、昨年8月には、金委員長が脅しをかけ続けるなら「世界が見たこともない炎と激怒で対抗する」と警告していた。

ビッカー記者は、北朝鮮が米朝首脳会談の見返りに何を要求しているのかは明確になっていないと述べた。

(英語記事 Trump 'ready to meet North Korea's Kim Jong-un'