2018年03月09日 14:39 公開

9日のアジア各国の株式市場は、北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐる緊張が緩和されるとの期待に上昇した。ドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の首脳会談の要請を受諾したと、韓国代表団が発表したのを受けた。

韓国の総合株価指数(KOSPI)は、前日比1.08%高で9日の取引を終えた。東京株式市場では、日経平均株価は一時2.5%上昇したが、終値は0.5%高にとどまった。

米朝会談の発表に先立ち市場では、トランプ大統領が鉄鋼・アルミニウム輸入品に対する追加関税について、適用除外の可能性を示唆したのを歓迎する動きも出ていた。

香港株式市場では、ハンセン指数が0.9%上昇、中国本土の主要な株価指数も小幅上昇した。

韓国のウォンは対ドルで小幅上昇した一方、日本の円は下落した。

安定性が増したとみられる環境下では、投資リターンが相対的に大きい、より高リスクの資産への投資が活発になるため、比較的に安全な投資先と考えられている円が売られるのは予想された通りの動きだ。


安堵(あんど)の吐息は想定内――<解説>カリシュマ・バスワニBBCアジア・ビジネス担当編集委員

アジア地域の投資家たちは何カ月にもわたり、米国が北朝鮮と衝突する可能性を注視してきた。

今年5月までに両国の首脳が会談するかもしれないというニュースに、多くの人が安堵の吐息を漏らしたが、それは驚きではないはずだ。

朝鮮半島で衝突が勃発するのを望む人はいないし、世界の指導者の中で最も感情を高ぶらせやすいと言える2人の間となれば、なおさらだ。

衝突がおきれば、サプライチェーン(供給網)で緊密につながる東アジア各国の経済に打撃が及ぶのはほぼ必至だ。同地域は世界的な輸送や製造の中心にあり、現在の緊張が少しでもエスカレートすれば、貿易・経済活動に混乱が生じる。

しかしそれ以上に、今回の展開が北朝鮮経済について何を語っているかが、特に興味深い。「ロケットマン」と「老いぼれ」が会談するという展望は、北朝鮮経済がいかに苦境に立たされているかの反映かもしれないからだ。


(英語記事 Trump and N Korea talks: Asia markets rally on peace hopes